ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

知恩院と粟田神社が合同で祭事を行う「れいけん祭」。大燈呂が町をめぐる「夜渡り神事」

2013-10-17 | 祭事・神事・風習

10月13日の夜。その日は、ミモロが住むエリアの氏神様「粟田神社」で、「れいけん祭」と「夜渡り神事」が行われました。

「夜渡り神事」は、2基の剣鉾を先頭に、大燈呂という紙を貼って作る大きな人形に光を入れたものが、町をめぐる神事です。


粟田神社の大燈呂は、室町時代に、すでに記録に残り、その姿が、人々を驚かせ、見物する楽しみを伝えています。江戸時代には、数多くの大燈呂が登場していたと、青蓮院の文書にも記載されているそう。青森のねぶたのルーツとも言われます。
明治時代以降、途絶えた祭りを、平成20年に京都造形芸術大学の協力により、180年ぶりに復活。今年は、新たに4基を作り、全部で9基の大燈呂が登場しました。
「烏天狗」「一つ目小僧」「聖天」「クシナダヒメ」「八岐大蛇」など、それぞれ粟田神社に縁のある神様たちをテーマにした大燈呂です。

この夜もミモロは、写真展イベントの後に、黄色のはっぴを着て、粟田神社に向かいました。
三条通には、すでに巡行の準備を済ませた大燈呂が、ずらりと並んでいます。
「おそくなりましたー」とミモロが掛けよったのは、昨夜、ビンゴ大会であった西沢さん「待ってたよー。今日はがんばってねー」と。ミモロは、大燈呂の巡行に参加するのは、初めて。一緒に大燈呂を動かす京都造形芸術大学の学生さんたちにもご挨拶。「ミモロでーす。今日はよろしくお願いしまーす」

みんなといっしょの揃いのはっぴ。「へー、ちゃんと着てるんだー」、西沢さんに作ってもらったはっぴを誇らしげに着て…。「みんなの仲間だよー」それがうれしいミモロです。
「あ、関本先生…よろしくおねがいしまーす」大燈呂のプロジェクトを推進されている造形大の教授です。ミモロとは、すでに何度も会っている先生。

ミモロが、担当するのは、「合槌稲荷」の大燈呂。
三条通に鳥居があるお稲荷様のキツネです。この大燈呂は、今年新しく作り替えられたもの。「わー白いきつね…カワイイ」なんとも躍動感あふれる姿。
「ちょっとやらせてー」とミモロは、後ろの綱を引っ張りることに…。
「ワー動いたー」。それぞれの大燈呂には、カラクリがどこか1つあって、「合槌稲荷」の白キツネは、後ろ足が動きます。「キック、キック…」と綱を交互に曳いて、後ろ足を動かします。

「みなさん、持ち場に付いてくださーい」とのリーダーの声で、合槌稲荷の引手の10人ほどが、それぞれ大燈呂の脇にスタンバイ。ミモロも後ろの脇のポジションに入ります。「動きマース…」いよいよ大燈呂を動かします。みんなで力を合わせて台車を押して・・・。「ヨイショ、ヨイショ…」ミモロも微力ながら、台車を押して…。

大きな大燈呂は、ときどきストップ。「あ、キツネが木にぶつかっちゃう…」大きなサイズだけに移動が大変。進行する道路上の木の枝や電線を、竹の棹で持ち上げる作業も繰り返されます。

青蓮院の横を通り、大燈呂は、知恩院の前にある「瓜生石」へと進みます。
そこで行われるのが、知恩院と粟田神社合同の「れいけん祭」という神仏習合の祭事です。
(このお祭りに関しては、昨年、ブログに詳しく書いているので、ミモロ れいけん祭 で検索してください)

瓜生石に作られた祭壇に、知恩院の僧侶と粟田神社の神職が、共に祈りを捧げます。
「般若心経とお祝詞が続けて聞けるの…なんか不思議…」
神事の最後は、みんなで祭壇の周りを3周します。

「今年も、ありがたい神事を拝むことができて…」と、傍らで手を合わせるミモロでした。

さぁ、氏子町の巡行に出発です。「よーしがんばるぞー!」
この夜、19時から、三条通、白川沿いなど氏子町を隅々までめぐり、大燈呂が、再び粟田神社に戻ってきたのは、21時過ぎ。「なんかすごーく歩いた感じ…でも、みんなといっしょだから楽しい…」と、最後まで歩きとおしたミモロでした。


さて、大燈呂の巡行と同時刻に、神輿の代わりとなる鳴り管が、やはり氏子町を巡幸しています。
ミモロは、一時、大燈呂の巡行を抜けて、鳴り管が立ち寄る場所へと向かいました。
「あ、来た来たー」神輿会の一団が、闇の中から現れました。鳴り管は、神輿に付いている金具で、神輿が巡行しない場所を、神輿に代わり巡ります。
ミモロも少し、触らせていただきました。そして、要所要所で、鳴り管をさし上げて、「ホイットーホイットー」という掛け声に合わせ、ステップを踏んで音を立てます。
今年から、小さな担ぎ手も登場。シャンシャンという音が、響きます。

鳴り管が訪れる場所は、休憩所でもあり、軽食や飲み物が用意され、おもてなし…。


「ミモロちゃんもどうぞ…」と言われ、「はい、遠慮なく…いただきまーす」。なにもしてないのに、ミモロッたら…。
「だって、お腹空いたんだもの…それにまた大燈呂に戻って、町を巡幸するんだから・・」と、祭りになるとやたら元気なミモロでした。



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コメント (2)
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