明日5月15日は、「葵祭」。斎王代の行列が、「京都御所」から「下鴨神社」 そして「上賀茂神社」へと向かう華やかな祭事が行われます。「葵祭」というと、この斎王代の行列だけと思われがちですが、祭りには、ほかにいろいろな神事が行われるのです。12日に行われる下鴨神社の摂社「御蔭神社」での「御生(みあれ)神事」もそのひとつで、比叡山の麓、御蔭山で新たにお生まれになった神様の荒御魂を、「下鴨神社」へとお迎えする重要な神事なのです。
ミモロは、初めてこの「御生神事」の様子をそばで参拝するために「御蔭神社」を訪れました。


「下鴨神社」「上賀茂神社」のご神紋でもあります。ほかに、このご神紋は、「貴船神社」「松尾大社」などでも…。
この時期、みずみずしい双葉葵は、まさに新たな命を表すものでもあるのです。
「御蔭祭」「葵祭」に関わる神職や従事なさる方々は、皆、「御葵桂(おんきっけい)」を身に着けます。

さて、いよいよ「御生神事」が始まります。
「御蔭神社」に「下鴨神社」からのお迎えは、神職、楽人、氏子など総勢200名以上。神事の前に、その多くの人たちは、帰りの行列に備え、列を作り、荒御魂さまをお待ちします。


「はい、今から、神事が始まりますよ」と行列を取り仕切る列奉行さま。

「下鴨神社」の新木宮司さまが神事に先立ち、お浄めに…。


いよいよ厳かな神事が始まります。
社殿の前には幕が下ろされ、中から祝詞が聞こえてきました。

太陽の南中を期して、荒御魂のご降臨を請う「う~」という低い声が響きます。
荒御魂さまは、「御生木(みあれぎ)」という榊の若葉を依代とされ、御神霊櫃にて「下鴨神社」へと向かわれるのです。
「あ、荒御魂さまお出ましになるみたい…」ミモロは、ちょっと緊張しながら御神霊櫃をお迎えします。


しずしずと恭しく奉じられた御神霊櫃。ミモロは、頭をさげて、お見送りを…。


行列は、静かに山道を下り、中継地点にある摂社の「賀茂波爾神社(かもはにじんじゃ)」通称「赤の宮」へと向かうのです。
行列が出発した社殿の前には、再び静寂がもどります。

ミモロは、御蔭山を下り、自転車で高野にある「赤の宮」へとダッシュ。
「ずっと下り坂だから楽ちんなんだ~」と、バスと自動車で移動する行列から離れ、住宅地の間の車の少ない道を選んだ走ります。
「わ~行列より早く到着しちゃった~」

そこには、すでに楽士の方々がスタンバイ。ここでは「路次祭」(ろじさい)という神事が行われ、舞楽が奉納されるのです。

しばらくして自動車が到着。宮司様が本殿へと急ぎます。

「ここのお祭りは、以前、参拝したので…」とミモロは、そこから家へもどることに。
この日は、「赤の宮」のお祭りもあり、町内各所には、神輿の姿が…。

ミモロが、家でお昼ご飯を終えたころ、行列の車が、住宅地の中を経て、「下鴨神社」へと向かいます。

神社では、それから荒御魂さまをお迎えする「切芝神事」などいくつかの神事が執り行われるのです。
「いよいよ明日は葵祭だね~晴れるといいね!」ミモロは、今回、「社頭の儀」に参列する予定です。

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