祇園の四条通に面して建つレトロの建物。創業明治19年のハンドバッグと財布の専門店「香鳥屋」です。
その前を通るたびに、ミモロは店内を覗きます。「なんか高級そうなお店…」ショーウインドーに並ぶハンドバッグや財布に心惹かれていましたが、ちょっと敷居が高そうと遠慮していたのです。
「こんにちは~」ある日、ミモロは、思い切って店内へ。「いらっしゃいませ~」
出迎えてくださったのは、笑顔が素敵な4代目のご店主の橋本昌治社長。
「あの~お店のこと教えてください」と、リポータぶりを発揮するミモロ。
「では、まずお店のお話しましょうね~」と…
創業は、明治19年。はじめは、草履などの履き物を扱っていて、それから次第に着物に似合う袋ものなどの和装小物を手掛けるように。今は、一般的なエナメルの草履は、このお店が最初に手掛けたのだそう。
昭和元年に、当時、最先端の建築様式の鉄筋コンクリート造のモダンな4階建てのビルを建設。現在、京都市登録歴史的意匠建造物に指定されています。
「入口のステンドグラスなどは、その当時のままなんですよ」と橋本社長。
「建物は、祇園では、歌舞練場に次ぐ2番目に建てられた、大林組による鉄筋コンクリートの建物です。内部も昔からあまり変わっていないんで、使いにくい部分もありますが、歴史的に貴重な建造物ならではの魅力もいっぱいなんで~」どっしりとした建物は、ハイカラな京都の面影を今も留めています。
京都のおしゃれな女性たちが、憧れ通ったお店です。
「昔は、着物には、布製の袋物を合わせていたんです。革製のバッグは、戦後から普及したんですよ」
「へぇ~昔からあると思ってた~」とミモロ。そう、巾着や木製のハンドルが付いた布バッグだったのです。
戦後、和服から洋装に、女性の装いが急激に変化するに伴い、いち早く、女性用のバッグの専門店に。
「これからは、洋服に合うハンドバッグの時代が来る」と履物からハンドバッグや財布の製造に特化することになったそう。
「うちで扱うのは、オリジナルの製品で、デザインから製造、販売まですべて行っています」と。
京都の女性たちには、まさに憧れの品で、多くの女優さんなども愛用したのだそう。
「わ~これキレイなバッグ!」とミモロが気に入ったのは、ビーズバッグです。
「ビーズバッグは、昭和38年に昭和天皇皇后陛下のご還暦のお祝いに献上したんです」
以来、ビーズバッグは、女性の憧れの品のひとつに。今も、熟練の職人さんによって、ひとつひとつビーズをさして丁寧に作られるバッグです。「へぇ~日本のハンドバッグの歴史を作ってるんだ~」
「あの~バッグもずいぶん時代と共に変化してるんですか?」とミモロ。
「はい、女性の社会進出や服装のカジュアル化で、昔と比べ、持つものが増えています。そのためバッグのサイズも大きくなっているんです」と橋本社長。
財布、化粧ポーチ、ハンカチなど、あまりバッグに入れるものが多くなかったのですが、今は、スマホは必須アイテム。さらにペットボトルをはじめ、A4サイズの書類が入るものなどを求める人が多くなったのだそう。
手荷物の増加に伴い、近年求められるのが、軽いバッグです。
「香鳥屋」の品は、上質の革を使用したもの。その革もさまざまな工夫を施し、丈夫で軽いものを近年多く使用してるのだそう。
橋本社長が手に取ったバッグは、コロンとした形で、キルティングの加工がされているもの。
「このバッグかわいい~。でも結構中身いろいろ入りそう~」
バッグの中を覗きます。
「このバッグは、とても丁寧な造りで、ハンドルがバッグの底から絶妙なカーブを描きながら、手に馴染むようになっているんですよ~」と橋本社長。
熟練した職人さんだからこそできる技が、集約されたバッグなのです。
「すごく軽いんだ~」とミモロが驚く重さです。
「香鳥屋」のオリジナルバッグの特徴は、日本女性のために作られていること。
「和服でも、洋服でも、その両方にマッチするバッグなんです」と。
「え~それどういうことですか?」とミモロ。
「それは、金具をあまり使わないで、おとなしい上品な印象の大きく見えないバッグです。色も、やさしい感じの色でしょうか」確かに、洋服に持つバッグだと、和服の時にバッグが目立ちすぎる気がします。
つまり、和洋両方の装いに寄り添い、女性を美しく見せるバッグなのです。
「あの~ミモロ、よく歩きまわるんで、リュック愛用してるんですが、最近、旅行などには、両手が使えるタイプのバッグが人気なんじゃないですか?」とミモロ。
「そうですね、そういうご要望には、リュックも作りました」
オリジナルデザインの小ぶりなリュックタイプです。
「バッグ関連で、人気なのが、特製のポーチなんです」
いろいろなサイズが揃ったポーチは、バッグの中を整理するのに重宝するもの。
大きなバッグをもつとき、中身がゴチャゴチャになるのを防いでくれます。
店内には、わに革やトカゲ革などの高級バッグもいろいろ。きちんとした印象をもたらす正装やおでかけ着に相応しいバッグです。
「これ、ミモロに合うかも~」
「ホント、ミモロちゃんサイズですね~。でも、それアクセサリーなどを入れる小物なんですけど~」
外国製などブランドのバッグが人気の現在、日本デザインで、日本の職人さんが丁寧に作ったバッグの魅力を改めて知ったミモロです。
「長年お使いいただけるように、修理などアフターケアも万全です」と橋本社長。
「あの~お財布もいろいろ揃ってますが、金運がよくなるお財布教えてください~」とミモロ。
「じゃ、次はお財布のお話しましょうね」
*「香鳥屋」の詳しい情報はホームページからどうぞ
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