ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

まばゆいばかりの輝きを放つ「金襴」。手織りの技術を今も保つ「西陣 岡本織物」

2019-03-05 | ものづくり

京都の伝統工芸の品々が大好きなミモロは、ご縁あって、「西陣 岡本織物」の工房見学をさせていただくことに。
「こんにちは~」
「ミモロちゃん、いらっしゃいませ~」と迎えてくださったのは、「西陣 岡本織物」の専務でありデザイナーを務める岡本絵麻さん。

「金襴」というのは、金糸をふんだんに使った豪華な織物。「知ってる~金襴緞子の金襴でしょ!」とミモロ。
「わ~豪華~」
西陣の金襴は、神社仏閣を飾る戸張、打敷、僧侶の袈裟に昔から使われています。さらに茶道では、袱紗などにも用いられる日本文化には欠かせない織物です。

「西陣 岡本織物」は、4代にわたり、西陣手織機を使う伝統工芸士が3名も在籍しています。

さっそく工房の中へ進みます。
 
織機が浮かびあがる工房・・・「すごく明るい照明じゃないんだ~」と驚くミモロ。
職人さんの手元を照明があるだけ…ほかの光は、窓などから工房内に注いでいます。

ミモロは、職人さんのそばで、じっと作業を見つめます。


「わ~クモの糸みたい~」細い絹糸が縦横に織機にかけられています。

「うわ~この縦糸を、織機にかけるだけでも大変そう~。すご~い」とただただ驚くミモロです。
ここの糸は、すべて上質の正絹で、模様を作りだす緯糸には、本物の金を使った糸なども使われます。何千本にもおよぶ糸がかかる織機・・・その姿だけでも芸術的です。

鮮やかな色の緯糸は、杼という糸巻きのようなものに巻かれています。


細い繊細な糸を、長年の経験から匠に施す技術・・・ただただ感動的・・・


繊細な織物を織りあげる職人さんの手は、絹を触っているからでしょうか、艶やかに・・・。指先の感覚も研ぎ澄まされた手をしていらっしゃいました。


「あの~なんで、こんなに薄暗い工房なんですか?」とミモロ。「それはね、金襴の本当の美しさは、薄明りの中で、光を集めるところにあるんですよ~」と岡本さん。その独特な輝きを最大限に引き出すために、工房は、今も照明を落としているのです。

「え~そうなんだ~」と目を丸くするミモロ。

「金襴」の歴史は、仏教伝来と共に。その文様の多くは、天平時代の「正倉院宝物」をルーツにしているのだそう。
格式と威厳のある文様で、今のように照明が煌々と照らす生活とは異なる昔、ろうそくや灯明の灯りの中で、さぞや「金襴」は、今以上に幻想的に、この世のものとは思えぬ輝きをはなっていたのではないでしょうか。

工房の中を進むミモロ。
 
いろいろな織物に必要な道具に興味津々です。

「なんか時代が止まってるみたい~」と思う工房。そこには、昔ながらの職人の技への誇りを感じます。

今や中国などで大量生産されるキラキラ輝く布。化学繊維などを使った安価なものが市場に多く見られます。

でもここ「西陣 岡本織物」で作られるのは、上質の絹と本物の金の糸などで作られる、まさに芸術品。
1日の作業で30センチほどくらいしかできないとか。

工房の中で、織りあがった布の仕上げ作業が行われていました。

織りあがった金襴の裏や端の部分を整える作業です。
「これ、余分な糸?」と、工房や工場で、いつもミモロが興味を示すところです。
「これどうするの?」とミモロ。正絹の残り糸は、処分されることが多いそうですが、本物の金の糸は、集められ再利用されるのだそう。
「これもらえないんだ~」と金色の糸を襟巻にしたミモロです。

安価な化学繊維製の「金襴」と、「本物の金襴」の違いは、上品な輝きと共に、そのしなやかさに。

正絹の滑らかさ、艶やかさは、まさに極上の布を実感させます。

「こんな透明感ある布も作ってるんだ~すごい~」


さまざまな角度で、異なった表情を見せる布に、ミモロはただ見惚れます。

「わ~お洋服もあるの~なんて贅沢~」


「西陣 岡本織物」の製品は、世界のトップファッションデザイナーなどにも注目される品。
伝統の文様から、モダンなデザインの製作にも、積極的に取り組んでいます。

「特別なパーティーなんかに、金襴の布で作ったドレスを着る人もいるんだって~」と羨ましそうなまなざしのミモロ。
ヨーロッパのデザイナーとのコラボで実現した金色のドレスは、2017年の「ゴールデングローブ賞」のレッドカーペットに、フィンランドの女優さんがまとい世界の注目を集めたそう。

また、最近、イタリアのネクタイのブランド「TIE YOUR TIE]とのコラボで、極上のネクタイが、数量限定で発売されています。

伝統工芸の「金襴」の魅力は、今や世界のセレブなどにも知られる存在に。

「ミモロちゃん、ワークショップするから、ぜひ来てください」と、岡本さんからおはがきを頂戴しました。
「西陣 岡本織物ワークショップ」3月23日(土)24日(日)10:00~18:00 場所:堀川ACラボ 京都市上京区奈良物町堀川中立売下がる 堀川団地出水第3棟 また、27日まで、「金襴」に関するさまざまな展示なども行われます。詳しいことは、「西陣 岡本織物」電話070‐6682‐4650にお問い合わせください。


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