ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

ミモロの振袖プロジェクト。布に模様の青花での下書き。そして染織の準備の糊糸目作業へ

2019-03-26 | ものづくり

本友禅の振袖と訪問着づくりの「ミモロ振袖プロジェクト」。着物のデザインと色をパソコンで決定した後、その図案を白い正絹の生地に写します。

この日も友禅作家の黒田庄七郎先生の工房にお邪魔したミモロ。
「では、さっそく白生地に模様を青花を使って写します」と黒田先生。

「あの~青花って、なんですか」とミモロ。
青花は、友禅染の染料のひとつで、白生地に下絵を描くときに使います。本青花という天然ものは、つゆ草の花びらを絞った汁から作られ、その青い線で描いても、水で洗うと消えてしまうため、友禅の下描きに欠かせないもの。

「へぇ~つゆ草のお花の汁ってそういう性質があるんだ~。それを発見した人ってすごいね~」と感心するミモロ。

工房には、大きなガラスのテーブルが…その上に紙に描かれた下絵をおいて、その上に白生地をのせます。

ガラスのテーブルの下には、蛍光灯が置かれていて、下から照らされ、下絵が白生地に浮かびます。
「この上をなぞればいいんだ~」

青花の染料を細い筆につけて、ミモロは慎重に下絵のラインの上に筆を運びます。
「あ、あんまり筆に青花つけ過ぎると、生地ににじんじゃう~」「わ~太い線になっちゃった~」「きゃ~細かい部分がつぶれちゃった~」と、なかなか思うようにできません。

「大丈夫ですよ~。慌てないで~多少はみ出しても、水で消えますから…」とそばで見守る黒田先生。

「こんな具合でいいかな~」と次第に筆の動きも上手に・・・。

「なかなかいい感じですね~その調子で…」と黒田先生に励まされながら、作業を進めるミモロです。

ほとんどの部分を黒田先生にやっていただき、なんとか作業が終わりました。

ミモロの振袖は、サイズが小さいため、型紙をミニ着物作家の赤塚先生に作っていただきました。そのため、その型紙にそって、連続する裾模様は、下絵では連続していません。そこが実はむずかしいところ。黒田先生が、前身頃、後身頃、袖とバラバラに模様の下絵を描いてくださいました。染め上げて、それぞれの部分を裁断して、縫うと、模様が連続するのです。

人間の着物の場合は、下絵を描くのは、反物を着物の形に裁断し、仮絵羽という仮縫いで、実際の着物のように仕立てたものに、下絵を写します。下絵が描き終わると、もう一度、仮縫いをほどき、反物に戻します。つまり下絵を描いてからは、反物の形で作業が進むのです。

「さぁ、ミモロちゃん、次は、糊糸目の作業ですよ~」
「は~い、がんばりま~す!」とやる気だけは衰えないミモロです。

まずは、先生のお手本を見つめます。


この糊糸目というのは、デコレーションケーキにお誕生日おめでとうとチョコレートで書くような先の細い道具を使います。
 

糊糸目というのは、染料が模様の輪郭からにじんで、はみだしたり、他の色を混ざるのを防ぐ防波堤のような役割をするもの。糊が、生地に沁み込んで、その内側から染料が出ないようにします。糊糸目も、染料を定着させる蒸しの作業で、消えて、そこに染まっていない輪郭が生まれます。友禅の着物を見ると、模様のまわりに白いラインが見えますが、これが糊をおいて「防染」という作業をした跡です。でも、黒田庄七郎先生の防染は、ちょっと違っていて、ラインは黒くなります。「なんか特別な技術なんだって~」とミモロ。

「では、ミモロちゃん、やってみましょう~」先生が手を添えてやり方を教えてくださいました。

「わ~むずかしい~糊の押し具合がわかんない~」なかなか技術が必要。糊の出具合を調整しながらの作業は、手が小さいミモロには、むずかしいのでした。
真剣に作業するミモロですが、どうも思うようにいかず、作業は進みません。
「じゃ、後はやっときますね~」と黒田先生。

「はい、よろしくお願いします」と、この作業は、さすがのミモロも手にあまるものでした。

「次は、染料で色を挿してゆきましょうね~」「は~い。またよろしくお願いしたします~」と、自分ができる範囲の作業を終えたミモロは、工房を後にしました。


ブログを見たら 金魚をクリックしてね ミモロより

人気ブログランキング

ミモロへのお問い合わせ・ご要望は、mimoro@piano.ocn.ne.jpまで

ミモロの通販ショップ「ミモロショップ」はこちら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする