ウチの近所にできた讃岐うどん屋さん『香の川製麺』の「かけうどん」は、自分で“だし”を入れます。
完成形のうどんを出してくれるのが普通ですが、この店では、うどんだけ入ったお鉢に給茶機みたいな装置で自分で“だし”を入れて完成します。
この辺のセルフうどん屋さんで初めてのシステムです。
アメリカのデューク大学のダン・アリエリー教授の著書『不合理だからすべてがうまくいく』によりますと、この“ちょっと手間”が人気のポイントになるそうです。
経済学と心理学の両方の面を併せ持つ行動経済学という研究分野です。
(実際はまだ読んでいないので、紹介文より仕入れたネタで)
アメリカで水を加えて焼くだけのケーキミックス粉を発売したところ、他の粉に比べて売上げがイマイチだったそうです。ところが、そのケーキミックス粉を自分で玉子を割り入れるタイプにしたら売上が伸びたそうです。
つまり“ちょっと手間”を加えることで“自分のもの”になり、愛着がわくということらしいです。
IKEAで買った組立家具に何時間か格闘した結果、他の家具よりも強い愛着を感じるようになった経験から、アリエリー教授はこの手間や労力がもたらす過大評価を“IKEA(イケア)効果”と名づけました。
その視点で考えると、たしかに「鍋」や「焼肉」にも“イケア効果”がありますね。
素材の影響の方が絶対大きいのに、沸かさないように手間をかけて作った「鍋」は美味しいような気がするし、焼け過ぎないように慎重に育てた「焼肉」は、より美味しいような気がします。
うどんに“だし”を入れるだけでは、それほど“イケア効果”はありませんでしたが。。。
そういえば、自分で焼くお好み焼き屋さんを見なくなりましたね。
この「イケア効果」を利用すれば、おそらく人気になりますよ