襟裳岬の朝は面白くもあり、爽やかである
襟裳岬へ出向いたのは8月1・2日の花撮影旅行で15回目となりました。
カムイラビットのえりもでの朝は早起きして岬や港などの写真撮影に入ります。季節によって朝陽の出る時間が違うので、6・7月は朝4時前からホテルを出なくてはいけないのです。
岬で朝陽を拝むのは格別なものがあります。見事な朝陽の撮影に成功することもあります。
7月12日は昆布船が一斉に港を出るというので、その壮観さを撮影しようとみさき漁港に出向いたのです。太陽が真っ赤に染まりながら昇り始め4時半には出港するものと思っていたのですが、何時になっても昆布船の出港許可の放送が無いのです。
漁師さんにお聞きするとこの形の朝日の時は、昆布漁にふさわしくない天気になるので様子を見て決断が遅れているらしいというのです。
それでも、船出の撮影に適する灯台の近くの位置に陣取り昆布船の出港を待ちます。
なかなか、放送がかからぬまま時が過ぎていきます。その場所に釣り人が三人来ておりましたが、カムイラビットの目はその人たちに向きました。
竿が弓なりになって何か釣れたようです。上がってくると大きな蛸ではないですか。獲物を揚げている人のそばにいた人が、タモを使い蛸を救い手助けです。
無事岸に蛸があげられました。手助けした人が「ごっつあんです」と声を出しました。この言葉が何を意味する言葉かは分かりませんでした。あげられた蛸はぐにゃぐにゃして、吸盤がコンクリートにすいついて離れません。足で蹴飛ばしてはがします。
上にあげられた蛸は、釣り人がはさみを用意し切りはじめ、蛸の根元の方から一本切り落とされました。切られた一本の足も生きているかのように動いています。手助けした人は蛸の頭の脳味噌を外に出して、蛸が脱走しないよう、動きをおさえます。
一本の足はタモで補助した釣り仲間に渡されたのです。蛸足一本が「ごっつあんです」の言葉だったのです。これが「えりもの朝は、蛸足一本 ごっつんです」の言葉なのです。
蛸の一本足を渡すというのが、釣り仲間の決まりなのだそうで「ごっつあんです」の響きがおかしく、面白く思い出されるのです。
釣り人は昨夜11時からこの灯台下で釣りをしていたのだそうです。夜通し釣るなど根気のいる仕事なのです。