「銀色の道」 鴻之舞金山 鉄路の記憶
「鴻之舞」の地名が高等学校の地図から消えました。廃鉱になった後もしばらくは地名として地図に残っていましたが、とうとう地図に書かれなくなったのです。
今、鴻之舞に人口はゼロとなっており、住友の社員が通いで鉱毒処理などに当たっています。
かつて、鴻之舞金山はオホーツクの紋別市にある東洋一の金山として知られ、全盛期には16000人が住む活気ある鉱山集落を形成していました。従業員4600人。2500人収容の映画館もあり、25メートル屋外プール、40メートル級ジャブ台などもあったりと、大学生が合宿に来るほどでした。
この鴻之舞の鉱山と紋別市を結ぶ物資輸送の軽便鉄道が「鴻紋軌道」(全長28㎞)で、この軌道の機関車をモデルとして歌ったのが「銀色の道」であったのです。
ダーク・ダックスとザ・ピーナツに「銀色の道」は歌われ、多くの人に銀色の道は知られました。しかし、鴻紋軌道との関係ついて知る人は少なかったようです。もう10数年も前にカムイラビットと道都大学教授の横平弘教授とで鴻之舞鉱山の遺構調査に入り、何冊かの報告書を作り上げました。
金山遺構調査の中では、合わせて鴻紋軌道の調査も行ない、鴻紋軌道の全線の踏破も試みました。そしてダーク・ダックスの歌との関係も知る事にもつながました。これらをまとめた本(報告書)は道立図書館にて保管されており、いつでも閲覧できます。
当時写真撮影はフイルムカメラを使用していましたので、ここですぐ出てきませんので、のちに機会でもあればお見せしたいと思います。
「銀色の道」の歌は、作詞 塚田 茂、 作曲 宮川 泰(やすし) で、10年前鴻之舞閉山30周年を記念して行われた式典にカムイラビットも出させていただきました。その時、宮川泰さんも招待されており、宮川さんともお話が出来、サインもいただきました。
カムイラビットが紋別北高校に勤務していた当時、公宅の前に小玉勝信さんがおられ、子供の時、鴻之舞で生活されていたことから鴻之舞を案内いただいたり、資料をいただきました。その後小玉さんたちは鴻之舞鉱山の資料を集められ、現在旧上藻別駅逓跡に鴻之舞鉱山の資料の展示を行い、鴻之舞に金山のあった様子を後世に伝えようとしています。
「銀色の道」
遠い遠い はるかな道は
冬の嵐が 吹いているが
谷間の春は 花が咲いている
ひとりひとり 今日もひとり
銀色の はるかな道
ひとりひとり はるかな道は
つらいだろうが がんばろう
苦しい坂も 止まればさがる
続く続く 明日も続く
銀色の はるかな道
★ 残る鴻之舞鉱山の遺構の代表的なものは ●望郷の煙突 ●道道紋別丸瀬布線をまたぐ鴻紋軌道の鉄橋跡