「すっきりとした立ち姿美しく 大花の延齢草」
山野草を極めていない人が、「エンレイソウ」の姿を思い浮かべるのは、決まって「オオバナノエンレイソウ」の花です。それは林間や河原の平地で見るのはオオバナノエンレイソウだからなのです。
山登りして麓でまず出会うのはオオバナノエンレイソウで、喘ぎあえぎ登ってゆくと、色変わりのエンレイソウに出会います。
山登りする人はエンレイソウには大きく分けてオオバナノエンレイソウとエンレイソウの二種類ある事を知っています。
エンレイソウの花は伏せ目がちですが、オオバナノエンレイソウは堂々と前や天を見上げて咲いています。エンレイソウには「もう少し元気を出して顔を見せてよ」声をかけたくなります。
堀田清氏の談にはエンレイソウについて「目線を下げて覗くようにして、逆光から見ると元気の出る赤い色で花として違った味わいを醸し出してくれている」と云います。
実の付く秋の北海道医療大学の薬草林の観察会で、ある参加者が「緑色の液果を見つけました」と大発見したかの声があげましたが、それはオオバナノエンレイソウの実なのでした。堀田清氏の記事には同大学の森にはエンレイソウの液果の色が緑(エンレイソウ)、赤(アカミノエンレイソウ)、黒(クロミノエンレイソウ)の三種類が自生しているとMYROFE5-6号で紹介しています。
昔からオオバナノエンレイソウの実は「ヤマソバ」と言われ、子供の時に食べたこと思い出します。実の形が蕎麦の実にそっくりなことからヤマソバと呼ばれたのです。甘さがあって口当たりがよいのですが、食べられる・食べられないのまだ判断のできない齢で、沢山採って食べた記憶はありません。
食べられる山野草の本の中にエンレイソウも上げられており、当然実も食べられるという事になります。
今年もオオバナノエンレイソウ、エンレイソウの花に多く出会いました。春の野を楽しませてくれる花たちなのです。