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けっぱれラピット、どろ亀さんに負けるな。ウサギとカメとの競走です。随想、旅行記、日記など、雪の降る街からのお便りです。

川面一面が花が咲く 幻の花(ティサの開花)とはどんな花

2019-01-21 13:16:14 | 動物

「ティラ川に、ある季節に一面に花が咲くという」

ハンガリーに流れるティラ川(セルビアの首都ベオグラードから200㌔離れたカニシャの町の近郊に流れる川)に、ある時、川一面に花が咲くといいます。

どう云う花なのでしょうか。川面に一時に花を咲かせるなどという花はあるのだろうか?

話をきいて興味津々です。

ティサの開花、期待満面で、テレビ(NHKテレビ・日曜日「ダーウィンが来た」)に見入ります。

ティラ川の花、なかなか画面に出てきません。穏やかに流れる川だけが画面に映し出されています。この水面に一面に花が咲くとはおかしい、待つ時間、不思議な感じです。

気候は晴天、川の水は少ない時が良いと言います。

実は「オナガカゲロウ」が一斉に羽化し、川面を覆うのです。

数は数百万匹ほど、はじめに雄が羽化し、2時間ほどの命だそうです。時間がずれて雌が羽化します。

セミの羽化は10数日に渡っても行われますが、このオナガカゲロウはその1日だけに羽化が起こり、空に舞うのだそうです。

遅れて羽化した雌に交尾しようと雄が群がります。この様子が川面に花が咲いたように映るのだそうで、ティラ川一面に花が咲いたように見えるのです。

季節はその年の気候にもよりますが、2014年では6月16・17日でした。

羽化したカゲロウは2時間ほどの命なので、カゲロウが飛ぶ数で川は覆われます。

交尾が終わったメスたちは上流に上流にと飛んでいき、そこで産卵します。卵は流されて、ティラの開花の場所近くまで流れ着き定着し、長年の水中をして自然が繰り返されるのです。

オナガカゲロウが群米は、以前欧州諸国で見られたそうですが、今ではハンガリーの地のみになってしまったとのことです。水質の良好な川を示す指標になっていると言われます。