「ハマナスの実 浜の宝物」
網走市の西の方に「鱒浦(ますうら)」という浜の町があります。むかしはこの浜で鱒が沢山捕れたので「鱒浦」と名が付けられたのでしょう。
私はこの町の浜で初めてハマナスの実を見たのですが、当時住んでいた女満別の海から離れた農村地には無い植物でした。
父が小学校の夏休みの時だったかに生徒を連れて鱒浦に行った時、私も小さいながら中にいれてもらったのです。この季節がハマナスの実が赤く色づく季節であったらしく、浜近くで素敵な赤い実を取ったのです。
赤い実はサンゴの赤玉のようで、当分の間私の机の中の宝物になっていました。
六花亭の六花にもハマナスが挙げられていますが、ハマナスの花が描かれていなければ、六花亭の包装紙も味気ない物になるでしょう。
花の香りが特によく、好きな香りです。
網走原生花園では、むかし花びらを女性たちが積み乾留して香水をつくったとか、今考えると最高の天然の香水だったと思うのです。
アイヌ語では「マウニ」(ハマナスの実の・木)ですが、「マウ」がハマナスの実の事で、当時は花より実が大事な食べ物にもなっていたのでしょう。
地名では、マウニ・ウシ(ハマナスの木・群生する地)、マウ・タ・サン(ハマナスの実・を採りに・降りるところ)となります。
石狩灯台近くにマウニの丘と名づけられたところがあり、食堂がありハマナスの花の季節、実の色づく季節には人がよく来ています。
長沼町に流れる馬追運河と言うのがあります。どう変化したものでしょう、ハマナスのマウニの言葉が変化したものと言われています。
長沼町はむかし低地で海も近かったもようで、海水が近くまで来ていたものと思われます。
牧野富太郎の植物図鑑によると「ハマナシ」がもともとの名と言いますが、わざわざ今になって言い換える事をしなくて「はまなす」はまなすで良いのではと思っています。
※ 新型コロナウイルス感染者 道内にも8名でました。 多くの集まりや行事が取りやめになっています。人の交流、物の流通が滞り経済にも影響しだしています。
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