![松本市美術館 「シャガール展2012 -愛の物語-」](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/e5/db03d6c440186644faf2e7bfde99bafa.jpg)
松本市美術館で開催されている「シャガール展2012 -愛の物語-」に行ってきました。
展示は、第Ⅰ章故郷ロシア、第Ⅱ章結婚―幸福な日々、第Ⅲ章悲しみの日々そして追憶・幻想へ、第Ⅳ章 版画シリーズ「ダフニスとクロエ」となっており、合計101点を見る事ができました。
また運良く学芸員による「ギャラリートーク」にも参加する事ができました。
この「ギャラリートーク」の際に配布された資料によると、
妻ベラとの愛をテーマにした初期代表作の3点のうち2点が同時に見られるようになっているとの事。
三点の作品名は「街の上で」・「散歩」・「誕生日」で、今回は「街の上で」と「散歩」を同時に見る事ができました。
隠喩・暗喩について(図像にユダヤ人特有の意味や皮肉がこめられているとの事)
イディッシュ語で
街の上を歩く人 → 放浪者
頭が飛び立っている → 夢想に動かされるままの人物
頭がさかさま → 頭が回転する、めまいがする=混乱する
観衆や文化、逸話、聖書などからの隠喩
空中の人間 = 自分で道を拓く → 希望を持って前進する
ヴァイオリン弾き = 神と民衆を媒介(ユダヤ人を象徴する楽器)
屋根の上に行く = 嫌な事を避ける → 危険を回避し、その日暮らしを楽しむ
逆立ちした道化 = ユダヤ人
白い山羊 = ユダヤ人
このあたりを把握していないとシャガールの絵は理解できないのかもしれません。
今日は3月11日、東日本大震災の発生からもう一年が経ちました。
館内では、地震発生時刻の午後2時46分に合わせて犠牲者に黙とうをささげますとのアナウンスが流れました。
大勢が訪れていてざわめき・足音が響く館内でしたが、午後2時46分に合わせての黙祷のアナウンスが流されると同時に館内は足音一つ聞こえない静寂が広がる時間となりました。
私の大学時代の後輩も今回の津波で命を落としました。
黙祷のアナウンスが流れる前に東北方向を確認し、東北方向に向かい黙祷を捧げました。