懸魚(げぎょ)とは
・破風(はふ)の拝(おがみ)の下、またその左右につける装飾。棟木や桁の先端を隠す。形により梅鉢懸魚・猪の目懸魚・かぶら懸魚などがある。
※岩波書店 広辞苑第四刷より引用
・破風の下、またその左右につける飾。
火災をよけるまじないに、水に縁のある魚の形の飾をつけた。
後には雲形などを用いた。
※東京堂出版 日本城郭辞典より引用
・「懸魚のルーツ」
もともとは、建物を火災から守るため、魚を模した飾りを屋根に懸けて火よけのおまじないとしたのが始まりでした。
水と関わりの深い魚を屋根に懸けることに、「水をかける」と言う意味がこめられています。
懸魚のルーツは中国で、仏教伝来と同時に日本に入ってきたのではないかと考えられています。
今でも雲南省の建物には、魚の胴体と尾鰭をかたどった板を屋根に吊り下げる風習が残っていて、これが懸魚の原型とされています。
日本でも、奈良県にある金峰山寺蔵王堂や京都の教王護国寺などで、魚の形をした懸魚を見ることができます。
懸魚は、権威の象徴であったため、神社仏閣や城郭などにつけられていましたが、やがて時代を経るにしたがって、武家屋敷などもつけるのを許されるようになりました。
また、火よけのまじないから、破風の合掌部のつなぎ目を隠す装飾へと役割を変えて行きました。
※PHP研究所 宮元健次監修「神社・寺院・茶室・民家違いがわかる!日本の建築」より引用
・懸魚(げぎょ)は、神社仏閣の屋根には必らず下がっています。
火に弱い木造の建物を火災から守るためのもので、火除けのまじないとして取り付けてあります。
※佐々木孝雄氏のホームページ「懸魚(げぎょ) ~由来と形態~」より引用 (Link 2018/12/05)
・主に神社仏閣の屋根に取り付けた妻飾りのひとつですが、切妻屋根や入母屋造りの民家の屋根にも良くつけられています。
建築物を火災から守るため、水に関連する「魚」を模した飾りを屋根に懸けて火伏のまじないをしている。
機能的には棟木の切り口を隠すための部材としての役割がある。
※西本彫刻所様のホームページより引用 (Link 2018/12/05)