「春の情(なさけ)」という用語は、第2版では『風雅和歌集』(1346-49年頃)からの例を早い用例としてあげていますが、さらに、255年さかのぼる用例があります。
山里のはるのなさけやこれならん霞にしつむ鶯のこゑ
(巻第百八十九・若宮社歌合、三番左、藤原季経)
塙保己一編『群書類従・第十二輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、271ページ
「春の情(なさけ)」という用語は、第2版では『風雅和歌集』(1346-49年頃)からの例を早い用例としてあげていますが、さらに、255年さかのぼる用例があります。
山里のはるのなさけやこれならん霞にしつむ鶯のこゑ
(巻第百八十九・若宮社歌合、三番左、藤原季経)
塙保己一編『群書類従・第十二輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、271ページ
「春の海」という用語は日本国語大辞典・第2版では、『再昌草‐天文四年』(1535年)からの例が早いのですが、さらに、572年さかのぼる用例があります。
春の海も秋の紅葉の深さにはたちならぶべき波やなからむ
(62・応和三年七月中旬宰相中将伊尹君達春秋歌合、36)
萩谷朴『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、475ページ
「新撰和歌六帖」にも「春の海のうらによるてふさくら鯛なみをやおのが花とみせつる」の歌があります。