monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「褪せ行く」用例

2015年03月22日 | 日本国語大辞典-あ行

 「褪(あ)せ行く」という単語には、「色が薄くなってゆく。物が色合いを失っていく。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『永正十年二月十六日牡丹花宗碩両吟何人百韻』(1513年)からの例が添えられていますが、少なくとも300年以上さかのぼる用例があります。

つばなぬく北野の茅原あせ行けば心ずみれぞ生ひかはりける(40ページ)
山がつの住みぬと見ゆるわたりかな冬にあせ行くしづはらの里(172ページ)
『新訂 山家集(岩波文庫)』佐佐木信綱校訂、岩波書店、1928年

河款冬
春もおし又川浪に口なしのあせ行色の山吹のはな
(50・正徹4・草根集、71)
『私家集大成 5巻(中世3)』和歌史研究会編、明治書院、昭和58年、534ページ

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