「色音(いろね)」という単語の用例は、日本国語大辞典・第二版では謡曲の1435年頃の用例を早い例としてあげていますが、さかのぼる用例が複数あります。
塩竈浦
はなとりのいろねならねどさびしきは春のゆふべのしほがまのうら
(114・雅有集、746)
『新編国歌大観 第7巻』角川書店、1989年、563ページ
ゆくはるも-なさけはのこせ-はなとりの-いろねになれし-かたみはかりは
(嘉元百首)~日文研・和歌データベースより
花鳥の色ねもたえて暮るる空の霞ばかりに残る春かな
(巻第二・春歌下、275)
岩佐美代子『玉葉和歌集全注釈 上巻』笠間書院、1996年、185ページ