ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

続・D I A R Y 10・11月

2023-12-02 11:54:48 | つぶやき
   10月 某日 ②
 5日間、東京に滞在した。
初日は、秋葉原の神田川沿いのホテルに宿泊。
 一度泊まったことがあったが、
シーズンなのかインバウンドなのか、
宿泊料金の高騰に驚いた。
 
 それもあって、朝食はホテルでなく、
ファミレスのモーニングにした。
 洗顔の後、散歩を兼ねて駅前の店をめざし部屋を出た。
 
 同じタイミングで、
廊下を挟んだ向かい側のドアが開いた。
 大柄な外国人男女が現れた。
笑顔を向けてきたので、
思わず、「グッドモーニング!」と一礼した。
 そのまま2人は、一足先にエレベーターへ向かった。

 宿泊した部屋は、思いのほか狭かった。
大きな体の2人では、きっと不自由だったろうと思いながら、
施錠後、やや時間を置いてエレベーターへ行った。

 2人は扉を開けたまま、私たちを待っていてくれた。
「サンキュー!」。
 なにか言葉を交わしたかったが、私には無理。
フロント階まで無言のまま。
 降りて左右へ分かれ時、
再び笑顔を向けてくれた。 

 玄関を出ると、川沿いに小さな稲荷神社があった。
出勤途中の方が立ち寄り、手を合わせていた。
 小銭を投げ入れ、私たちも二礼二拍手一礼をした。
 
 その後、狭い境内を抜け、鳥居の前へ戻った。
まだ7時前だったが、そこに大きなリュックサックを背負い、
ガイドブックを手にした長身の外国人男性がやって来た。

 神社の案内板には、小さく英語表記があった。
男性は、立ち止まってそれを読み、社殿へ進んでいった。
 こんなところのお稲荷さんも、
外国からの観光地になっていた。
 「確かに、古いお社だったが・・・」と思いつつ、
もう一度男性の後ろ姿を見た。

 さて、ファミレスの朝食だ。
入店すると、お好きな席へと言われた。
 案の定、その後はタブレットでの注文だった。
やり方は、どこも同じだ。
 慣れていた。

 しばらくしてトーストと目玉焼きのセットを、
ロボットが運んできた。
 これにも慣れていた。

 しかし、入店からずっと気になることがあった。
やや離れた席からの大きな話し声だ。

 朝にもかかわらず、店内は5割程度埋まっていた。
どの客も静かに食事をとっていた。
 にも関わらず、遠慮を知らない話し声に、
時折、笑い声が加わる席があった。
 私には、中国語のように聞こえた。

 大声に慣れなかった。
食べながら、イライラしてきた。
 私だけではなかったようだ。
近くの方が店員さんを呼んだ。
 「すみません。すみません」。
店員さんはくり返していた。

 すぐだった。
大声の席へ行った店員さんが、
たどたどしい英語で何かを言った。
 席の1人が、英語で応じていた。
その後、店内は静かになった。
 落ち着いて食事ができた。
 
 きっと、今朝だけのことではない。
都心のファミレスでは日常的なことなのだろうと想像した。
 簡単な英会話は、今時の店員さんに、
求められているスキルなのだろうと知った。

 ファミレスを出てから、
飲み物を買いにコンビニへ寄った。
 ペットボトルを1本持って、レジへ行った。

 そこに立っていた店員さんは、
慣れない日本語だった。
 名札と顔を見た。
東南アジアの人のように思えた。
 
 小銭がなく、5千円札を差し出した。
躊躇することもなく、お釣りを返してくれた。
 日本語よりも、手慣れたお金の扱いに驚いた。
「慣れてますね!」
 思わず言ってしまった。
彼は、明るく「どういたしまして」と言った。
 
 朝から、たびたび外国の方と出会った。
都会ではそれが今や当たり前なのかも・・・。


  11月 某日 ②
 姉が、首都圏で勤務する娘の病院で手術をする。
そのため、兄と私たち2人で新千歳空港まで見送りに行った。

 帰宅した夕方から、体調が思わしくないと感じた。
早めに寝ることにした。
 夜中に何度も目がさめた。
眠れない時間をくり返した。

 翌朝、検温をした。
いつもより高かった。
 大事をとり、朝食後も横になった。
夜中に眠れなかったからか、よく眠った。

 目を開けるたびに検温した。
平熱よりもやっぱり高めだった。

 空港ターミナルは、すごい人だった。
なのにマスクもしないで、
ショッピングをし、レストランへ入った。

 まさかと思いつつも、
コロナやインフルエンザが気になった。
 様子をみながら、1日中ふせていた。

 次の日も体調は同じだった。
微熱と頭痛、倦怠感が続いた。
 何度かインフルエンザは経験があった。
2日間の経緯から、それではないと自己診断できた。  
 未経験のためコロナの不安はぬぐえなかった。

 コロナ検査キットの販売薬局を検索した。
市内の数軒で売っていた。
 早々、家内が1500円で購入してきた。

 自分で鼻から検体を採取し、
検査液に浸けた。
 そのジェル状の液体をキットに数滴垂らした。
キットの小さな窓に少しずつジェルが染み出た。

 赤い線が2本なら陽性、つまりコロナに感染、
1本なら陰性で感染していないことになる。

 それがわかるまでに、15から20分を要するのだ。
気が気でないまま、
15分ほどその小さな窓をじっと見続けた。
 1本の赤い線は、2本になることはなかった。
 
 すると急に食欲がわいた。
かき揚げ天がのった鍋焼きうどんが食べたくなった。
 わがままを言って、夕食はそれにしてもらった。
美味しさと一緒に体中から汗が流れた。
 すっかり元気になった。
「これにて 一件落着!」となった。 




  雪  吊  ~歴史の杜公園    

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