10月 某日 ②
5日間、東京に滞在した。
初日は、秋葉原の神田川沿いのホテルに宿泊。
一度泊まったことがあったが、
シーズンなのかインバウンドなのか、
宿泊料金の高騰に驚いた。
それもあって、朝食はホテルでなく、
ファミレスのモーニングにした。
洗顔の後、散歩を兼ねて駅前の店をめざし部屋を出た。
同じタイミングで、
廊下を挟んだ向かい側のドアが開いた。
大柄な外国人男女が現れた。
笑顔を向けてきたので、
思わず、「グッドモーニング!」と一礼した。
そのまま2人は、一足先にエレベーターへ向かった。
宿泊した部屋は、思いのほか狭かった。
大きな体の2人では、きっと不自由だったろうと思いながら、
施錠後、やや時間を置いてエレベーターへ行った。
2人は扉を開けたまま、私たちを待っていてくれた。
「サンキュー!」。
なにか言葉を交わしたかったが、私には無理。
フロント階まで無言のまま。
降りて左右へ分かれ時、
再び笑顔を向けてくれた。
玄関を出ると、川沿いに小さな稲荷神社があった。
出勤途中の方が立ち寄り、手を合わせていた。
小銭を投げ入れ、私たちも二礼二拍手一礼をした。
その後、狭い境内を抜け、鳥居の前へ戻った。
まだ7時前だったが、そこに大きなリュックサックを背負い、
ガイドブックを手にした長身の外国人男性がやって来た。
神社の案内板には、小さく英語表記があった。
男性は、立ち止まってそれを読み、社殿へ進んでいった。
こんなところのお稲荷さんも、
外国からの観光地になっていた。
「確かに、古いお社だったが・・・」と思いつつ、
もう一度男性の後ろ姿を見た。
さて、ファミレスの朝食だ。
入店すると、お好きな席へと言われた。
案の定、その後はタブレットでの注文だった。
やり方は、どこも同じだ。
慣れていた。
しばらくしてトーストと目玉焼きのセットを、
ロボットが運んできた。
これにも慣れていた。
しかし、入店からずっと気になることがあった。
やや離れた席からの大きな話し声だ。
朝にもかかわらず、店内は5割程度埋まっていた。
どの客も静かに食事をとっていた。
にも関わらず、遠慮を知らない話し声に、
時折、笑い声が加わる席があった。
私には、中国語のように聞こえた。
大声に慣れなかった。
食べながら、イライラしてきた。
私だけではなかったようだ。
近くの方が店員さんを呼んだ。
「すみません。すみません」。
店員さんはくり返していた。
すぐだった。
大声の席へ行った店員さんが、
たどたどしい英語で何かを言った。
席の1人が、英語で応じていた。
その後、店内は静かになった。
落ち着いて食事ができた。
きっと、今朝だけのことではない。
都心のファミレスでは日常的なことなのだろうと想像した。
簡単な英会話は、今時の店員さんに、
求められているスキルなのだろうと知った。
ファミレスを出てから、
飲み物を買いにコンビニへ寄った。
ペットボトルを1本持って、レジへ行った。
そこに立っていた店員さんは、
慣れない日本語だった。
名札と顔を見た。
東南アジアの人のように思えた。
小銭がなく、5千円札を差し出した。
躊躇することもなく、お釣りを返してくれた。
日本語よりも、手慣れたお金の扱いに驚いた。
「慣れてますね!」
思わず言ってしまった。
彼は、明るく「どういたしまして」と言った。
朝から、たびたび外国の方と出会った。
都会ではそれが今や当たり前なのかも・・・。
11月 某日 ②
姉が、首都圏で勤務する娘の病院で手術をする。
そのため、兄と私たち2人で新千歳空港まで見送りに行った。
帰宅した夕方から、体調が思わしくないと感じた。
早めに寝ることにした。
夜中に何度も目がさめた。
眠れない時間をくり返した。
翌朝、検温をした。
いつもより高かった。
大事をとり、朝食後も横になった。
夜中に眠れなかったからか、よく眠った。
目を開けるたびに検温した。
平熱よりもやっぱり高めだった。
空港ターミナルは、すごい人だった。
なのにマスクもしないで、
ショッピングをし、レストランへ入った。
まさかと思いつつも、
コロナやインフルエンザが気になった。
様子をみながら、1日中ふせていた。
次の日も体調は同じだった。
微熱と頭痛、倦怠感が続いた。
何度かインフルエンザは経験があった。
2日間の経緯から、それではないと自己診断できた。
未経験のためコロナの不安はぬぐえなかった。
コロナ検査キットの販売薬局を検索した。
市内の数軒で売っていた。
早々、家内が1500円で購入してきた。
自分で鼻から検体を採取し、
検査液に浸けた。
そのジェル状の液体をキットに数滴垂らした。
キットの小さな窓に少しずつジェルが染み出た。
赤い線が2本なら陽性、つまりコロナに感染、
1本なら陰性で感染していないことになる。
それがわかるまでに、15から20分を要するのだ。
気が気でないまま、
15分ほどその小さな窓をじっと見続けた。
1本の赤い線は、2本になることはなかった。
すると急に食欲がわいた。
かき揚げ天がのった鍋焼きうどんが食べたくなった。
わがままを言って、夕食はそれにしてもらった。
美味しさと一緒に体中から汗が流れた。
すっかり元気になった。
「これにて 一件落着!」となった。
雪 吊 ~歴史の杜公園
5日間、東京に滞在した。
初日は、秋葉原の神田川沿いのホテルに宿泊。
一度泊まったことがあったが、
シーズンなのかインバウンドなのか、
宿泊料金の高騰に驚いた。
それもあって、朝食はホテルでなく、
ファミレスのモーニングにした。
洗顔の後、散歩を兼ねて駅前の店をめざし部屋を出た。
同じタイミングで、
廊下を挟んだ向かい側のドアが開いた。
大柄な外国人男女が現れた。
笑顔を向けてきたので、
思わず、「グッドモーニング!」と一礼した。
そのまま2人は、一足先にエレベーターへ向かった。
宿泊した部屋は、思いのほか狭かった。
大きな体の2人では、きっと不自由だったろうと思いながら、
施錠後、やや時間を置いてエレベーターへ行った。
2人は扉を開けたまま、私たちを待っていてくれた。
「サンキュー!」。
なにか言葉を交わしたかったが、私には無理。
フロント階まで無言のまま。
降りて左右へ分かれ時、
再び笑顔を向けてくれた。
玄関を出ると、川沿いに小さな稲荷神社があった。
出勤途中の方が立ち寄り、手を合わせていた。
小銭を投げ入れ、私たちも二礼二拍手一礼をした。
その後、狭い境内を抜け、鳥居の前へ戻った。
まだ7時前だったが、そこに大きなリュックサックを背負い、
ガイドブックを手にした長身の外国人男性がやって来た。
神社の案内板には、小さく英語表記があった。
男性は、立ち止まってそれを読み、社殿へ進んでいった。
こんなところのお稲荷さんも、
外国からの観光地になっていた。
「確かに、古いお社だったが・・・」と思いつつ、
もう一度男性の後ろ姿を見た。
さて、ファミレスの朝食だ。
入店すると、お好きな席へと言われた。
案の定、その後はタブレットでの注文だった。
やり方は、どこも同じだ。
慣れていた。
しばらくしてトーストと目玉焼きのセットを、
ロボットが運んできた。
これにも慣れていた。
しかし、入店からずっと気になることがあった。
やや離れた席からの大きな話し声だ。
朝にもかかわらず、店内は5割程度埋まっていた。
どの客も静かに食事をとっていた。
にも関わらず、遠慮を知らない話し声に、
時折、笑い声が加わる席があった。
私には、中国語のように聞こえた。
大声に慣れなかった。
食べながら、イライラしてきた。
私だけではなかったようだ。
近くの方が店員さんを呼んだ。
「すみません。すみません」。
店員さんはくり返していた。
すぐだった。
大声の席へ行った店員さんが、
たどたどしい英語で何かを言った。
席の1人が、英語で応じていた。
その後、店内は静かになった。
落ち着いて食事ができた。
きっと、今朝だけのことではない。
都心のファミレスでは日常的なことなのだろうと想像した。
簡単な英会話は、今時の店員さんに、
求められているスキルなのだろうと知った。
ファミレスを出てから、
飲み物を買いにコンビニへ寄った。
ペットボトルを1本持って、レジへ行った。
そこに立っていた店員さんは、
慣れない日本語だった。
名札と顔を見た。
東南アジアの人のように思えた。
小銭がなく、5千円札を差し出した。
躊躇することもなく、お釣りを返してくれた。
日本語よりも、手慣れたお金の扱いに驚いた。
「慣れてますね!」
思わず言ってしまった。
彼は、明るく「どういたしまして」と言った。
朝から、たびたび外国の方と出会った。
都会ではそれが今や当たり前なのかも・・・。
11月 某日 ②
姉が、首都圏で勤務する娘の病院で手術をする。
そのため、兄と私たち2人で新千歳空港まで見送りに行った。
帰宅した夕方から、体調が思わしくないと感じた。
早めに寝ることにした。
夜中に何度も目がさめた。
眠れない時間をくり返した。
翌朝、検温をした。
いつもより高かった。
大事をとり、朝食後も横になった。
夜中に眠れなかったからか、よく眠った。
目を開けるたびに検温した。
平熱よりもやっぱり高めだった。
空港ターミナルは、すごい人だった。
なのにマスクもしないで、
ショッピングをし、レストランへ入った。
まさかと思いつつも、
コロナやインフルエンザが気になった。
様子をみながら、1日中ふせていた。
次の日も体調は同じだった。
微熱と頭痛、倦怠感が続いた。
何度かインフルエンザは経験があった。
2日間の経緯から、それではないと自己診断できた。
未経験のためコロナの不安はぬぐえなかった。
コロナ検査キットの販売薬局を検索した。
市内の数軒で売っていた。
早々、家内が1500円で購入してきた。
自分で鼻から検体を採取し、
検査液に浸けた。
そのジェル状の液体をキットに数滴垂らした。
キットの小さな窓に少しずつジェルが染み出た。
赤い線が2本なら陽性、つまりコロナに感染、
1本なら陰性で感染していないことになる。
それがわかるまでに、15から20分を要するのだ。
気が気でないまま、
15分ほどその小さな窓をじっと見続けた。
1本の赤い線は、2本になることはなかった。
すると急に食欲がわいた。
かき揚げ天がのった鍋焼きうどんが食べたくなった。
わがままを言って、夕食はそれにしてもらった。
美味しさと一緒に体中から汗が流れた。
すっかり元気になった。
「これにて 一件落着!」となった。
雪 吊 ~歴史の杜公園
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