プロレスラー墓名碑2023 ~テリー・ファンク、木戸修、キラー・カーン
年に一度、その年(前年)に逝去された個人的に印象深い名レスラーについて、記述するページです。
プロレスファン以外の方にはご興味ないかもしれませんがご容赦ください。
① テリーファンク
日本でもっとも女性ファンの人気を博したガイジンレスラーではなかろうか。
その甘いマスクだけでなく「テキサスの荒馬」と評される暴れっぷりは、時にヤンチャ坊主のようにも映り母性本能をくすぐるのかも知れない。
なかでも、未だに語り草になっているのは兄ドリーとのザ・ファンクスとブッチャー、シーク組の試合。
ブッチャーがフォークでテリーの腕をブスッブスッと突き刺す。
苦悶の表情でのたうち回るテリーが不屈のパンチで反撃するシーンに観客、TVの視聴者は大いに沸いた。
まさに勧善懲悪のアメリカン·プロレスを地で行くかのようなシーンだった。
私は「フォークよりナイフの方が効果的なのに、いや、フォークの方が痛そうだからいいのか」と、ひねた見方をしていた。
冷静沈着、理詰めなファイトの兄ドリーに対し、ハチャメチャ破天荒なテリー。兄弟の対比も面白かった。
相撲の若貴兄弟を思わせた。兄弟で当時世界最高峰だったNWA王者に君臨したのも初めてではなかったか。
「キン肉マン」に出てくる「テリーマン」のモデルでもあった。(8月23日没 79歳)
② 木戸 修
木戸修は前述のテリーとは全く対照的な真逆のレスラーといっていいだろう。
「いぶし銀」「究極の技巧派」と評されるレスリングは玄人ファン受けする「脇固め」等の渋い関節技が持ち味である。
師匠である神様カール・ゴッチに「私の息子」と言わしめるほど、ストイックにレスリングを極める。
輝くスター選手ではなく、地味な中堅レスラーだったが職人レスラーともいえるだろう。
時には会社が売り出したいレスラーの咬ませ犬の役も甘んじて受けたが、その実力は本物。
突然、その実力を発揮して、超大物選手から「キドクラッチ」でフォールを奪ってみせたりするのが痛快だった。
引退してからは、娘のプロゴルファー愛さんの隣で微笑んでいる姿が印象的だった。(12月11日没 73歳)
③ キラー・カーン
「キョエー!」という奇声と共に相手の顔面を両手で挟み込むように放つモンゴリアンチョップ。
キラー・カーンというと、すぐに脳裏に浮かぶファイトシーンだ。
本名 小沢正志。195センチ、141キロの巨体を誇るレスラーだったが、若手時代はあまり目立たなかった。
いわゆる、華がないレスラーだったのだろう。
ところが、アメリカ武者修行中、「極悪非道な暴れるモンゴリアン」というギミックに変身して開花する。
アメリカのショーマン・プロレスが肌にあったのだろう。
そこにアンドレの足をニードロップで折るという武勇伝が加わって、全米のスター選手となる。
引退後は居酒屋を経営されており、私も一度、行きたいと思っていたくらいだが、店で仕事中に突然死された。(12月29日没 76歳)
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