「君の名は。」~ワンダースター(彷徨星)的見解
一昨年に大ヒットした「君の名は。」を昨夜、TVで初めて視聴して、大感銘を受けた。
あれほど、ブレイクした映画なのに、過去の作品の二番煎じ、三番煎じかと高をくくり、見なかったのは迂闊だったと思うほど、素晴らしい作品だった。
過去の作品とは、同一名である親の世代の名作と男女入れ替えをテーマにした「転校生」である。
まず、オープニングで地球に大接近した彗星から分断された破片が隕石となり、地球に降りそそぐシーンの美しさに息を飲んだ。
南アルプス山系の御池山隕石クレーターを思い出した。
数万年前に落下した直径45mほどの隕石跡だが、たぶん、モデルになったのだろう。
どこかで見たような風景が出てくるなと思ったが、諏訪湖や飛騨古川駅などもモデルになったそうだ。
作品では細密な絵画のような映像や挿入歌も素晴らしかったが、一貫して流れるテーマにも感銘を受けた。
恋々と綴られるテーマは「むすび」。
組紐作りを通じて、一葉おばあちゃんが語る。
「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、ぜんぶ同じ言葉を使う。それは神様の呼び名であり、神様の力や。ワシらの作る組紐も、神様の技、時間の流れそのものを顕しとる。 」
もうひとつが、「黄昏時」という言葉。
「誰そ彼(たそかれ)と われをな問ひそ 九月(ながつき)の 露に濡れつつ君待つ我そ」
(万葉集)
「誰、あれは?と私に尋ねないでください。あれは九月の露に濡れながら君を待つ私なのですから。」という意。
黄昏時とは夕方を指し、妖(あやし)や、この世のものではないものと出会う時間。
私もブログでは「マジックアワー」という言葉をよく使うが、撮影にも大好きな時間帯だ。
相手の姿が見えにくくなるため、「誰そ彼」は「お前は誰だ?」という言葉にもつながる。
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