ばくのメモ帳

『ばくのお宿』管理人の西みつのり、略して西みつのメモ帳です。ホームページに書き切れない雑多な情報を綴ります。

たかもちげん~南波省三時代の作品

2015年08月26日 | たかもちげん

最近、数冊の南波省三作品掲載雑誌を入手することができました。成人雑誌、いわゆるエロ雑誌です。この手の雑誌は通常の収集対象ではないので入手が難しく、ほとんど運任せになります。

掲載されたまんがもエロ漫画やギャグ漫画で、興味を持たれる方はほとんどいないと思いますが、たかもちげん先生の本格デビュー前の作品として注目しています。簡単に南波省三時代の作品をまとめてみました。

たかもちげん先生は新潟県の出身で、本名は南波省三。高校卒業と同時に上京、1年ほど望月三起也先生のアシスタントをつとめました。その後は25歳ころまで、井上コオ先生の「侍ジャイアンツ」のアシスタントをしていました。

※井上コオ先生も望月三起也先生のアシスタントからデビューしているので、その縁でアシスタントをしていたのでしょうか。

※望月三起也先生のサイトを拝見していたら、元カエルプロメンバーの小針さんの回想で「タベ、ばら、難波の3人で大分へ行き車で3回転して死にかける!」との記事がありました。難波さん=たかもちげん氏とのことなので、アシスタント時代の貴重な証言ですね。

雑誌デビューは昭和48年、24歳の時でした。井上コオ先生のアシスタント時代でしょうか、具体的なことはわかりません。

デビュー誌は『別冊土曜漫画コミック』7月6日号でした。デビュー作は「新撰組異聞 壬生の朝(あした)」です。続いて同誌7月20日号に「暁の闇の中で」を発表。この2作とも新選組関連の漫画です。

同年8月には、日本文華社発行の『漫画ジャンボ』8月15日号にSFコミック「閨夢所狂騒曲」を掲載しています。

 



『漫画ジャンボ』は「野獣派劇画誌のパイオニア」が売りの成人誌で、同誌には昭和51年まで掲載を続けていました。作品のサブタイトルは「パロディ・コミック」「シニカル・コミック」「性狂育講座」などです。大体の傾向がわかるのではと思います。

『別冊土曜漫画コミック』には、8月17日号に梅小路祐の原作で「ガラスの英雄」を発表しています。本格的なアクション漫画でしたが、この1作で同誌への掲載は終了しました。

これ以降は、しばらく成人誌への掲載が続きます。南波省三時代に作品掲載した雑誌は12種類にも及んでします。この雑誌は現在までに確認できた数で、他にもあった可能性は大きいです。

『漫画ジャンボ』に続いて、辰巳出版の『週刊まる秘』(「まる秘」は○の中に秘)、東京三世社『週刊実話雑誌』、一水社『漫画キック』に作品を掲載しています。

昭和51年以降は、『漫画ジャンボ』の他は、辰巳出版と大洋書房の雑誌が中心となっています。

辰巳出版は『漫画アイドル』、『ミスターマガジン』、『漫画パイオニア』に、大洋書房は『週刊マンガ旋風』、『実話りっぷ』、『月刊小説エンペラー』、『娯楽パラダイス』に作品が残っています。

辰巳出版の雑誌では『ミスターマガジン』に掲載された「おれは透明人間」に注目しています。5ページの作品で、全17回の連載であったと推定しています。

新連載のとびらページです。


最終回(?)が掲載された昭和53年2月号の表紙ととびらページです。

 



エロ漫画でもギャグ漫画でもありません。側注には「それはキミ自身のことかも・・・男の哀歓を謳いあげる異色漫画の登場!!」と書かれています。

大洋書房の雑誌から、『月刊 小説エンペラー』です。創刊号はA5判で、内容は完全な小説誌でした。田中小実昌や都筑道夫、赤川次郎などが執筆しており、巻頭の漫画は「THE BEATLES]でした。


この雑誌に「内縁関係」を連載しており、表紙にも南波省三の名前が載っています。



南波省三時代の作品で確認ができている最後の作品は、大洋書房『実話りっぷ』昭和54年2月号に掲載された「四畳半源次物語 22 契約更改」です。



この後、同年10月1日発行の『月刊少年ワールド』10月号に「あいつは意地っぱり」を発表して少年誌に活躍の場を移していくことになりました。

「たかもちげん漫画館」久し振りに更新しました。

たかもちげん漫画館

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