2006年、ギャラリー賛(京都)個展のために制作。
人間とは何かという問いかけをテーマにした作品。
当時は「ナウイズムの夢」のような構想は微塵もありませんでした。
人は何故苦悩を生みだすのか。そんな思いだけで作品を創っておりました。暗中模索。ただ感じるままに描いていたように思います。
「のしてんてん系宇宙論」を本気で読んでいただいた当時、京都教育大の名誉教授で、貴重なアドバイスをして頂いた先生。その中村二柄先生の紹介で、毎年個展発表の場を頂いたギャラリー賛。懐かしい風景です。
すでに十数年前に、京都画壇に惜しまれながら他界されましたが、その第一回賛展にいただいた先生の賛辞は忘れられません。
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この作家はおそらく60、70年代のミニマルやコンセプショシュナルに触発されて、
そこから出発したのであろう。
しかし彼の作品には、それら千例とは本質を異にするものが現われている。
何よりも、これらのフォルムは無機的機械的ではなく、その反対に有機的バイオ
モ―フィックである。
その上先例を見ない明暗の効果。ここには座禅の宇宙論的な世界観照がある。
これらの作品は、喧噪にみちた現世代にあって、あたかも維摩居士の寡黙如雷
あるいは良寛禅師の天上大風のような、音のないシンフォニーである
中村二柄
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下は当時の個展会場。
小さなギャラリーでしたが、とても暖かいオーナーさんで、包み込むように育ててくれた恩人です。
6年間お世話になり、この展示がその6回目。この年、ギャラリー賛は閉廊となってしまいました。
テーマ「人間」。S30号4枚に対称を意識して描いたものです。
画面の短冊のようなオブジェは、箱虫となづけた人型の原型。最小限の要素だけを残してすべてを捨てた人間の姿。そこに見えない心が形になって見てくると信じておりました。
なぜ箱虫かと言いますと、私の作品の出発は箱だったのですが、・・・・
これ↓ F100号に鉛筆で描き始めた作品です
ここから、箱は人の心を表すという直観で、当時は箱ばかり描いておりました。上記の短冊の形は、この箱から切り取ってできたもので、それで箱虫と名付けたわけです。
虫のように見えるでしょ??うか
そんなエピソードを交えて、組作品「ナウイズムの夢」の4作1テーマの作品制作が始まったわけです。
はるひ美術館による北籔和展(ナウイズムの夢)
2017/2/8~2/26
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五次元に生きる (ナウイズム宣言)
>F100号に鉛筆で描き始めた作品です
驚きました
全くの素人の自分が拝見しても
絵に生命の躍動を感じます
それが私の作風を決定付けました。
縁とは不思議なものです^ね^
いつもありがとうございます。
「人は何故苦悩を生み出すのか」「箱が人の心を表す直観」…そこへたどり着くことに脱帽です。それが導きだったのかもしれませんが、恐らくのしてんてん様しかたどり着けない答えのように思います。
そして奇縁の下、近くの箱を書き続ける。かつての記事に卵を書き続けたものがあったと想われますが
「確固たる意志の下、ただひたすらに基本を続ける」
その才に尊敬の念を覚えます。ゆえにここまでの作品を生み出せるのだと。
箱虫(人の洗練の果て)と、それをちりばめた絵画にある背景にそれほどの意図があるとは…
またひとつ、いいものと出会わせていただきました。
本当に有難うございます!
けれど、ひとつだけ訂正させてください。
「確固たる意志の下、ただひたすらに基本を続ける」
と言っていただきましたが、私の場合、
「迷いと苦悩をひきずって、泣きながら出来ることを続ける」
なのです。
偉そうなことは言えません。私もまた、人生さんと同じ考えを持っておりました。
先人の仕事を見て、これは天才の仕事だと。
でもあるとき、それは間違いだと気付きました。
例えば、私はゴッホをそのように見ていました。
でも違ったのです。
ゴッホのすざましい苦悩をこの身に引き受けて体験したとき、私は思いました。
自分の苦悩はそのままでいいのだと。
苦悩と付き合う人生が
続ければやがて確固たる人生に見えてくる。
人生さんにも
きっと、
同じことが言えるのではないでしょう^か^
…言葉にならない、何かを見ました。本当に表現が見当たらないのです。
それほどまでに「壮絶、嵐の中…そう感じる人生」をゴッホは送ったことを初めて知りました。
…かっこいい言葉回しとかが見つかりません。読み終えてコメントは書こうと想い、そのまま綴っております。
そしてこの言葉に帰結しました。
具体的な内容とか見解も思いつきません。ただ
「ありがとうございます…!」
長文申し訳ありません、そしてまとまらない文章も
ただただこんな奇跡の知識の出会いに感謝しか思いつかないのです。
有難うございます…!
苦悩とうまく付き合っていると、人は知らないうちに大きくなるものです。
そう思って、
心に苦悩を感じたら、
今度はどんな成長を私にさせようとしているの?と
やってきた苦悩に語りかける余裕が、
最近になってやっと生まれてきた気がします。
50年かかりました。
人生さんにそんな時間はいらないとおもいます^よ^
ただ今は「悩み、いい記事との出会いで得たエネルギーで、それを形にしたい」と考えています。
どんな形になり、完成するかもわかりませんが…ただ今の私の持っているものを、悩みつつ迷いつつも形にしていくつもりです。
今後とも、良い記事との出会いを!
こうして巡り合えるのも、
きっとそのおかげなのでしょう^ね^。
よい出会いがたくさんありますように祈っております。