のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

創作への道(次なるステップ)

2018-02-08 | 展覧会

全興寺(せんこうじ)涅槃堂

 

邂逅展 その後

で紹介しましたように、空気を描くという意識で描いた龍の絵が全興寺の御住職の気に入って頂けたのですが、そこに至るまでには御住職とのかれこれ20年にわたる対決がありました。(対決?勝手に思っているだけで私、手のひらの猿ですが)

その経過は↓でご覧いただけます。

全興寺瞑想の絵画10年展 (HPの管理が悪く::悪すぎ!ごめんなさい・・)

でもまあ、雰囲気だけは分かって頂けるかと・・・

御住職の眼に、堕落と映ったら即中止という条件で行った10年展でしたが、その個展の最中にさらに空気を描けと言う難題(何だい?)を与えられまして、実現するまで意識から離れません。

それが10年後にやっと、龍のおかげで偶然描けたわけですが、御住職はさらに上手でございました。

 

とにかくこれはいいと喜んでいただき、涅槃堂に納まった作品に感無量でございましたが、正直このお堂に作品のサイズが少々小さくさみしい感も心の片隅にあったのです。

その思いを見透かしたのか、

「この空気の中で、この龍をふくらませてみないか」と言われたのです。

ここに泊り込んでもいいから、この空間から生まれる絵を描いてみろというのです。師弟関係ではありませんので、その言葉は私にとって新たな挑戦状です。(一番厳しい師と心得ておりますが)

 

で、私はたかなる思いを抱きながら挑戦状を持ち帰り、夜も寝ないで熟考いたしました。(嘘つけ、ビール飲んでそのあげく)(まあまあオサエテおさえて)

 

そんなわけで、こんなプランを作りました。

表紙の写真にラフスケッチをしてみただけのものですが、桟を生かして白壁に絵をはめ込むという計画です。3年でやりましょう。

 

ところが!!

このプランに対して、御住職が何と応えられたと思います?(難と応えた) 

そのとーぉり。私はぐうの音も出ませんでした。(いまお腹なってたやろ) 

ポンコツ頭の私に言葉をそのまま再現できませんが、こういうことをいわれたのです。

 

寺にはたくさんの襖絵や天井画があるが、そういう絵は好きではない。このガラスの涅槃仏を見て見なさい。

これが普通の涅槃仏だったら、ここに置かなかった。

ガラスの塊に単純な線を刻んだだけ、ここには作家の「頭」の中にある仏がない。そこがいいのだ。

私が欲しいのは作家の思い描く仏ではない。誰もの心の中にある仏。(つまり誰にでも自由に仏の姿を思い描ける像ということでしょうか)

 確かにこの涅槃仏は、ガラスのかたまりに子供の落書きのような線が刻まれているだけ

 見ようによっては大きな目のクジラのようにも見えます^ね^

 

10年間展示してもらったのは、あなたの絵が(はい?)丸や四角、訳の分からんものを描いていたからで、これが当たり前の仏さんの姿だったら、即中止だった。(そういえば、そんなこと仰っていました、ハイ今思い出しました)

襖絵はいらんのですよ。

 はっと、私は思い出しました。

箱の絵を描き続けておりました頃、ある人が私の絵を評して「星の王子様」の話しをしてくれたのです。

王子様が子供にゾウの絵を描いてくれと頼まれます。ところが王子様がどんな絵を描いて見せても、そうじゃない!(ゾウがかかっています^よ^)と納得しません。そこで王子様は箱の絵を絵描いた。「この中にゾウが入っているよ」と言ってやると子供はやっと納得したという話。

 

そうか、私は箱から龍を出して見せてしまったんだと・・(これ、和尚様を子供扱いに)(してないしてない)

 

空を描くとえらそうに言っておきながら、枠の中に収めた龍を示すという愚かさを御住職は厳しく指摘されたということです。

 

 

 

 

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24 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わはは! (むっちゃん)
2018-02-08 08:41:54
どーも、マスター。
やられましたね~。
さすが禅寺の和尚さま。

しっかし、難題でございますね。
龍を描かずに龍を描く、みたいなお題でしょうか?
セルフツッコミという新たなオモチャ?を駆使してブログを綴ってらっしゃいますが、たじろきつつも燃えている、というところでしょうか?
勇者のしてんてん、竜王はラスボスではなかったようですね(笑)。つうびいこんてにゅう。

あー、野暮ですが。
星の王子様が主人公の飛行機乗りの『私』に描いてくれと頼んだのは、象ではなく羊、ではないでしょうか?

象のエピソードは、主人公が子供の頃、象を丸飲みするうわばみ(大蛇)の話に感動して描いた絵を、大人たちに帽子の絵だと断じられて絶望した、という話で出てきたと思います。
いや、大勢に影響無いんですが。
気になったもので。すみません、細かくて😅。
返信する
むっちゃん様 (のしてんてん)
2018-02-08 09:23:57
あぁ、そうなんですか。

個展会場での鮮烈な記憶なので今も覚えているっていうか、その後自分の絵を説明するのに多用しているエピソードなのですが、原書を(もちろん日本翻訳)をまともに読んでいないのがばれました^ね^

いわれてみればそうですよね、こどもというのは王子様のことで・・・

私、箱の絵を書いたのが王子様だと・・・

ええっ、象じゃなく羊?

箱を描いたという肝心な落ち(落ち?)は本当なの?(自分でしっかり読みなさい)

という感じで自分ツッコミ、むっちゃんも時々やっていますが、いいおもちゃです。確かに。

私のように自分に考えすぎる者にとったら、ブレーキになったり、立ち止まって俯瞰してみる時間になったり、自分を笑ういい機会になります。

読む側から見たらどうか、そこがちょっと分からないところなのですが、まあぼちぼちやっていきましょう。
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わはは! 2 (むっちゃん)
2018-02-08 11:08:50
落ち?はそれでいい筈です(笑)。

飛行機乗りの『私』が半ばヤケクソで箱を描き、この中に君の羊が入ってるよ、と言うと、王子様の顔がパッと明るくなり、喜んだ、というエピソードですから。

でもその通りに、龍の周りに箱を描いて『ここに君の龍が入ってるよ』という訳にもゆきません。
悩みドコロでございますね~。

ある意味、楽しい悩みでしょうが。
返信する
Unknown (Unknown)
2018-02-08 11:31:16
立ち顕れることを描く、という困難さを敢えて承知の上でご住職はのしてんてんさんに言われたのでしょう。
返信する
素の sure_kusa です (sure_kusa)
2018-02-08 12:35:10
先日は、多大なる御厚意、誠にありがとうございました。

「 現代の試された一休さん 」という言葉が浮かんできました。
のしてんてんさまの御意欲、やはり芸術家魂というのは恐ろしきもの、と圧倒されます。
箱の絵、 " 念 "というものが感じられ、感服いたします。

随所にお見受けする ” セルフツッコミ ” なるもの、さすがに、日頃のお勤めが功を奏し、目を細める次第です(ーー)
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創作への道(次なるステップ!) (真鹿子(まかこ))
2018-02-08 15:36:26
のしてんてんマスター
こんにちは!

今我が家では、
愛用のマグカップが割れたまま、
1億年未来の心野洞窟で宇宙夢中睡眠中、
眠れるカップ姫様となられからは、
発掘使令もなく、ココアが頂けませんので、
少し甘めのホットココアお願いいたしま^す^

創作への道(次なるステップ)ですが、
実はわたくしも、全興寺様、涅槃堂の、
気流を呼ぶ龍の左右の白壁は、
のしてんてん画伯の次なる作品のために、
真白く待機中の壁面だと感じていましたよ。

こちらのコメントでもお話しましたが、
全興寺のご住職様☆有り難いですね♪

しかし次なるステップも難題(何だい?)
しかも難題レベルがかなりアップしています。
点は点であると同時に天である。
点は点であると同時に無限次元形態であると
確信している私などが、次元的観点から観ますと、この三次元界の真髄(神髄)は、
三次元界と一体であると同時に
三次元界を超えている五次元界、無限次元界からもたらされているものと感じていますが、

全興寺ご住職の
「この空気の中でこの龍をふくらせてみないか」
のお言葉は、まさに従来型の三次元形態を超越している「五次元形態のしてんてん龍」の登竜どき真骨頂発揮のしどころではないでしょうか☆

僭越ながらわたくしが感じましたことを
述べさせいただきましたが、
のしてんてん画伯の次なるステップ!
ワクワクドキドキ☆
少し甘めのココアも美味しく
素敵な午後をありがとうございます(=^ェ^=)♪
返信する
むっちゃん様 (のしてんてん)
2018-02-09 08:24:13
「飛行機乗りの『私』が半ばヤケクソで箱を描き、この中に君の羊が入ってるよ、と言うと、王子様の顔がパッと明るくなり、喜んだ」

ありがとうございます。
本を読む手間が省けました。(って、読めよ)

サン・テグジュペリの名作ですからね。

飛行機乗り、そうそうそうでしたね。飛行機で小さな星に行ったんだっけ?(だから読みなさい)

それより、体調は回復いたしましたか?
こちら今、学校閉鎖まで出てます。

気を付けて^ね^
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Unknown様 (のしてんてん)
2018-02-09 08:36:00
[立ち顕れることを描く]

まさにそうなんですよ^ね^。

笑うしかありません。

能動でも受動でもない、その中間にある立ち顕れ、中動。

そこに行くには、なり切ることしかないのですが、・・・

私に出来ると踏んでくれたのでしょうか。思いようによっては、ありがたいことですが、それに応えようとする気持ちも禁ですから、やっぱ、難しいで^す^

酒飲むのが一番かと・・・
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sure-kusa様 (のしてんてん)
2018-02-09 08:43:55
>随所にお見受けする ” セルフツッコミ ” なるもの、さすがに、日頃のお勤めが功を奏し、目を細める次第です(ーー)

ありがたいお言葉、ありがとうございます。
って、お師匠様!

もともと(ーー)
ではありませんでした^ぁ^(こ、これ)

確かに、一休さんのような・・・

やっぱりビール飲んで
一休さんにいたし^ま^す^(本気)
返信する
まかこ様 (のしてんてん)
2018-02-09 08:59:27
形あるものはいつか・・・と申しますが、長年愛用のマグカップ様が二つになったのはさみしい気もいたしますね。

見事に割れた写真を拝見いたしましたが、最後まで気品に溢れた姿。あんな風に割れるのもカップ姫の矜持と心得ます。

それにしましても、次なる価値へと発掘されるまで千年の眠りにつくという
まかこさんの発想に何やら宇宙の大きさを感じました。

瀬を早み
岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ

崇徳院の恋歌

私などは落語で知ったのですけれど。
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