師の仏壇に手を合わせた。
線香を焚き、鉦を鳴らした時、
私ははっとして心を打たれた。
澄んだ鉦の一打が瞬間に私の全身を貫いたように感じた。
全身を耳にして
私はその鉦の音の行方を追った。
次第に遠のく音色
それは消えていくのではなく
文字通り遠のいていくのだ。
私はその果ての果てまでついて行こうとした。
そして気付いた。
この感覚はまさに私が今描こうとしている神の光そのものなのだと。
光は闇に消えるのではない。
永遠に遠のくだけなのだ。
その光について行く。
人力で行けるところまで行き着く。その先はまさに神の世界に違いない。
誰一人として例外なく、つながっている神の場所だ。
作品をそこまで持っていけば、必ずそこから人の心に届くだろう。
師の教えに違いない
私にはそう思えた。
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