先日紹介しました、2005年全興寺第7回個展(いまこのとき)の忘れがたい顛末。
書こうと思っていた矢先に「神ってる」報道。これ以上のタイミングはありません。神ってます。
というより、まあ聞いてください。
こんなふうに、作品に細い足を付けて、地面に立たせる野外展。すでにその様子は紹介しました。
これが忘れられないはじめての野外展となったのは、こんな神ってる話があったからなんです。
2005年5月3日~4日の二日間の展覧会でした。
2日に飾り付けをしてオープンしたのですが、野外に立てた作品の足をよく見ていただくと分かるのですが、簡単な金具で止めただけのものです。
その時はただ野外に展示することだけしか考えておらず、天候のことは意識にものぼっておりませんでした。
設置して、翌日オープン。まずまずの滑り出しです。
しかしその日の夜でした。展示作品をそのままにして帰宅。寝ようとしたその時、春の嵐が来たのです。外はがたがた何かが揺れる音。雨はなかったものの、嵐のような風が吹き荒れています。全興寺の境内に立てた作品のことが真っ先に頭に浮かびました。
その心配で夜も眠れません。作品がとんで、大変なことになっている!!
家から寺まで行く手段もない。頭の中は風の中で飛び回っている作品。後悔と己のしでかしたことへの自己批判。
一睡もしないで(寝たかも知れない)始発に飛び乗って寺に向かいました。家から2時間弱、嵐の後の惨状で頭がいっぱいで、電車の中を走りたい気分です。
平野駅について、全興寺まで20分。
歩く道すがら、歩道の看板が倒れていたり、植木鉢が転がっています。あの作品に風を受けたら、ひとたまりもなく飛んでいく。私の肝は冷えっぱなし。昨夜の嵐はここも同じだったのだ。
私は覚悟を決めて全興寺の境内に駆け込みました。
神ってたのです。
私は茫然としました。その次に安堵の気持ちが来て、この神ってる光景に感謝して、作品を抱きしめました。
寺の境内に立てたこの作品たちは、何事もなかったように、みな無事で立っていたのです。
そんな馬鹿な。寺の参道の、しっかり立てた看板ですら倒れていたのに、ここは全く平然としていたのです。
不祥事を起こさないで済んだ。
私はただ感謝するしかありません。誰に?お寺が守ってくれた?とにかく私は手を合わせました。
その日の天気は最悪で、雨も降りました。
雨対策は考えていましたので、降りだすと作品にビニール袋をかぶせ、大作は屋根の下に避難させました。
風も出てきて、今度は倒れる作品も出てきました。観客教えてくれますので、その度に雨の中手直しに走ります。
夜中の嵐に耐えた作品たちが、私が来るや、たいした風でもないのに倒れる。
これだって神ってるじゃないの。
私は初めての野外展で、自分の迂闊さを腹に穴が開くほど意識して、助けられる喜びをかみ締めました。
神ってる寺に助けられた作品たちの
お話しでした。
素晴らしいお話を朝からお聞きしました。(*^^)v
まさに神ってる…、仏さまかもしれないですけれど~!
個展の開催地はお寺の境内ですものね。
お写真を拝見すると、
二枚目四枚目などの作品に光がさして神ってる状態、
後光がさすとも思われて素晴らしいです。
初メールで失礼いたしました。♪
いつも拝見しておりましたが、今回はこの「神ってる」お話に共感してコメントさせて頂きました。
どういった加減だったのでしょうね。
本当に不思議ですが、作品にも作者であるのしてんてんさんの念が伝わったのでしょうか。
お寺さんの神ってる御守護だったのでしょうか。
どちらにしても、素晴らしい出来事でしたね。
作品の力が引き寄せたのかも知れません(^_-)-☆
ただ、奇跡のようにすごいだけではこの言葉に値しない、勝手ながらそう考えています。
…ただ、現実は小説より奇なり…と言いますか…「まるで人のたゆまぬ意思に神が答えたかのような。」
カープの監督が選手の奇跡のような活躍に対し、祝した言葉。
カープの選手のたゆまぬ努力と研鑚、のしてんてん様の想いと努力、真摯に描き続けた作品…それらにこそふさわしい言葉だと。
…人の想いと努力が少しづつたぐり寄せた奇跡なのか、神が最後の一押しをしたのかはわかりませんが
こういう奇跡が人の想いで起こる、そんな世界がまだあるって、素敵なことだと想います。
だからこそ、こんな記事との出会いに感謝を。ありがとうございます!
その後2回の野外展では、懲りて足は使いませんでした。
初メールありがとうございました。
またお越しください^ね^
私の頭の中は、惨憺たる状態しかありませんでしたので、どうして立っていられたのか、今も想像できません。
ご加護だったのでしょうね。
コメントありがとうございます。
あの日、
雨の中来ていただいた若い女性のスカートの裾が今も記憶に残っています。
その方は、どこかの催しに参加する予定の、途中で立ち寄ってくれたのです。
きれいな服を着ておられて、傘を差したまま感想を話してくれました。
その方の足元は、きれいなハイヒールでしたが泥が跳ね、それがスカートの裾まで汚しておられた、その映像が目にこびりついています。