ここはどこでしょう
のしてんてんはふんわりと思いを巡らせまました
カモメさんのお腹の中は真っ暗で何も見えないのです。
そのうちに、悲しい鳴き声が聞こえてきました
そっと流れて、のしてんてんは声の方に近づいて行きます。
すると、赤黒い不気味な牢獄が見えました
その中には、今にも消えそうな白いものが涙を流していたのです。
カモメさんのあどけない心が痛々しくて、のしてんてんの心も震えました
海の上で板切れにとまって羽を休めていた時、シャチがやってきてお母さんを一飲みにしてしまったのです。悲しくて、恐ろしくて、カモメさんはどうしていいかわからないのです。
のしてんてんは牢獄の隙間から流れ込んでふんわりとカモメさんの心を包み込みました。
ふるえていた小さな心にほんのり暖かい、小さな小さな光が木漏れ日のように揺れました
カモメは悲しみの中でふと、その光に気付きました。
するとその光が闇を不安と恐れから解き放つように広がり始めたのです。
そう、まるでそれは夜明けでした。
本物の太陽に向かって、カモメは力強く羽ばたくのでした。
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