昨夜の「花燃ゆ」では高良健吾扮する高杉晋作が、三味線をつま弾きながら、「三千世界の鴉を殺し・・・」と口ずさむシーンがあった。
ということなんだが、ここで疑問が一つ。「花燃ゆ」は今、松下村塾の時代を描いている段階。高杉晋作もまだ二十歳かそこらのはずだ。はたしてそんな歳でこんな詩を唄っただろうか。もし本当に高杉晋作の作であるならば、江戸遊学して品川の遊郭相模楼に逗留していた頃以降に作ったと考えるのが自然だ。当時の相模楼を再現した川島雄三監督の傑作映画「幕末太陽伝」で、石原裕次郎の高杉晋作が唄う分には納得がいくというもの。
「花燃ゆ」でもこの後描かれるであろう「馬関戦争」の頃、萩の武家の妻女によって唄われたという山口県の代表的な民謡「男なら」の歌詞には下記のようにこの「三千世界・・・」が唄い込まれたものもある。これは明らかにずっと後世になってから付け足されたものであろう。
これまでも何度かこのブログで取り上げた「品川甚句」は高杉晋作らが逗留した品川宿で生まれた俗曲。使われている言葉が長州弁であり、詩の意味の不可解さが「三千世界・・・」と同じ匂いがするのは気のせいだろうか。
三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい
この七七七五の短詩は、高杉晋作の作といわれる都々逸の一節である。遊女と一夜を明かした楼客が、明烏の鳴き声で交情の夢を破られ、後朝(きぬぎぬ)の別れをせねばならない切ない心情を唄ったものだ。三千世界というのは仏教用語で「この世すべて」という意味。ということなんだが、ここで疑問が一つ。「花燃ゆ」は今、松下村塾の時代を描いている段階。高杉晋作もまだ二十歳かそこらのはずだ。はたしてそんな歳でこんな詩を唄っただろうか。もし本当に高杉晋作の作であるならば、江戸遊学して品川の遊郭相模楼に逗留していた頃以降に作ったと考えるのが自然だ。当時の相模楼を再現した川島雄三監督の傑作映画「幕末太陽伝」で、石原裕次郎の高杉晋作が唄う分には納得がいくというもの。
「花燃ゆ」でもこの後描かれるであろう「馬関戦争」の頃、萩の武家の妻女によって唄われたという山口県の代表的な民謡「男なら」の歌詞には下記のようにこの「三千世界・・・」が唄い込まれたものもある。これは明らかにずっと後世になってから付け足されたものであろう。
これまでも何度かこのブログで取り上げた「品川甚句」は高杉晋作らが逗留した品川宿で生まれた俗曲。使われている言葉が長州弁であり、詩の意味の不可解さが「三千世界・・・」と同じ匂いがするのは気のせいだろうか。