徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

海達公子 没後82年

2015-03-18 17:29:11 | 文芸
 今年も「海達公子まつり」の時期がやって来た。
 昭和8年3月26日、5000編の詩と300首の短歌を残し、16歳の短い生涯を閉じた天才少女詩人・海達公子。今年も荒尾市では彼女の命日を期して「第6回海達公子まつり」が開かれる。




■公子の恋
 先日98歳で他界された岩本澄さんは高瀬高等女学校時代の公子の親友で、公子と一緒に過ごした高女時代の思い出を手記に残しておられる。そこには、公子の生涯たった一度の恋も綴られている。公子の永遠の恋人ともいうべき教師石塚菊二郎との出逢いと別れが、傍にいたものにしかわからない臨場感をもって記されている。
 小学生の頃、北原白秋や若山牧水らから激賞された自由詩に比べ、あまり語られることのない公子の短歌を二つご紹介したい。

▼昭和6年、画図湖で石塚先生や級友たちとボート遊びに興じる公子(右端)


棹させば 水藻ながるゝ 川の面
雲雀のこゑも かすみてきこゆ
 (画図湖にて)



▼公子が大事にしていた石塚先生の出張土産の佐渡人形


師の君の 土産は嬉し 佐渡人形
だらりの帯に 長き振袖