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菊二題

2017-09-10 20:39:18 | 音楽芸能

肥後菊


 昨日9月9日は五節句の一つ、「重陽の節句」。平安時代に中国から日本に伝わった由来はともかく、長寿を願う節句で、それを象徴するのが季節の花「菊」であることから、別名「菊の節句」とも呼ばれる。ただ、もともと旧暦の9月9日だったので、菊の見ごろにはちょっと早い。
 菊をテーマにした芸能は数多いが、その中から今回は下記の二つを紹介したい。

▼能「枕慈童(菊慈童)」


2015年1月23日放送Eテレ「にっぽんの芸能」より能「枕慈童」シテ方喜多流能楽師・友枝昭世(人間国宝)

【あらすじ】
 三国時代の魏(ぎ)の初代皇帝・文帝時代、テッケン山の麓から薬水が流れ出るというので、勅使がその源を訪ねる。勅使は、菊の花の咲き乱れる山中の庵で異様な童子に出逢う。勅使が問うと「私は周の穆王(ぼくおう)に仕えていた侍童だ」と答える。周は七百年も前の世。童子は、穆王に召し使われていたが、誤って王の枕をまたぎ、その罰でこの山に流罪になったという。しかし、童子を愛していた穆王は、四句の偈(げ:法華経の経文)を書いた枕を与えた。その偈の経文を菊の葉に書いておくと、その葉より滴る露は不老不死の薬となり、七百年もの間生き伸びたのだという。そして童子は楽を奏し、舞を舞ったあと、寿命を帝に捧げ、そのまま山中の仙家へと帰ってゆく。 

▼舞踊 長唄「菊」


2014年12月23日 花童くるみ卒業公演より「村娘」

女性の一生を菊の花になぞらえ、少女から大人の女への成長を、禿、町娘、御守殿、村娘、菊の精の姿で踊り分ける。


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