縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

希代の自由人、川の人、私の師匠、野田知佑さん逝去・・・名著「日本の川を旅する」

2022年03月30日 23時11分22秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
水遊びの師匠、文章の師匠、生き方の師匠だったカヌーイストの野田知佑さん逝去の報道。享年84歳。
在りし日の野田さん。40代くらいか?
 
野田さんは、男なら孤独を楽しめ、誰にも知られず熊に食われたっていいじゃないか、と野垂れ死にする自由や日本のダム行政や河川行政のデタラメ加減も教えてくれた。
20代から何度も読み返している名著「日本の川を旅する」は、今は失われた70年代くらいまでの日本の川の美しさも教えてくれた。
 
激流を下る様子を「快!快!快!快!快!快!快!快!」と、1ページに渡って書いた文章に衝撃を受けた。
 
その文体は変化自在。改行なしでドストエフスキーみたいな長文も書く一方、真逆なヘミングウェイみたいな端的表現も巧みだった。
 
野田さんがどんな文体を使いこなしても、共通するのは詩情と郷愁、それと焚火の匂い。
 
川旅と映画と読書、孤独と自由を愛した希代の自由人の野田さんは、私に最も影響を与えた師匠のひとり。
 
自分のお金で、自分だけの時間を過ごす旅の紀行文の数々は、どれも面白いが、若い頃にカヌーと出逢った欧州ヒッチハイクの旅行記も好きだ。
ギリシャ哲学に興味をもって辞書を引きながら独学したギリシャ語が、ギリシャで「あなたのギリシャ語は2,000年前に使われていた言葉です」と笑われた逸話や「その男ゾルバ」の主演アンソニー・クインと出逢って話をした逸話などなど。
この頃の野田さんは、アメリカ人俳優のロバート・ショウに似ていた。
 
ずいぶんと昔に某アウトドア雑誌で、海・山・川のプロフェッショナルたちに「寒さ対策」を聞く企画特集の時、多くの人は新素材の衣類の紹介や着替えの重要性を説いていたが、野田さんだけは「濡れたら焚火で乾かせばいい。寒ければ酒を飲んで体の中から温めればいい」と、実にそっけない回答で、私はコレコレ!とほくそ笑んだ。野田さんは生粋の川の人。
 
毎晩深夜まで残業していたサラリーマン時代に、オフィス机にお守りのように入れておいたのが「日本の川を旅する」とヘミングウェイの短編「二つの心臓の大きな川」の二冊。
 
どこから読んでも面白く、数ページ、数行読むだけで夜空の下で焚火をした気分に誘ってくれた。心がすり減ってきたと感じたら読むといい本。
 
追悼に「日本の川を旅する」を読むことにする。

プロパガンダ!と叫ぶと反対陣営のプロパガンダに加担することにならない?・・・ロシアのウクライナ侵攻に思うこと

2022年03月30日 07時17分30秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画

ピンクヒスイの勾玉を納品にいったら、衆議院議員の梅谷守さん(立憲民主党)とばったり。

選挙前に、ぬなかわヒスイ工房にご挨拶に来ていただいて以来の再会に、肩を抱き合って泣いた(な~んちゃって)自然災害の多い糸魚川は自民党でないと駄目!という声も聞くが、地元選出議員の所属党派に関係なく、県や国は迅速に動いてもらわないと健全な民主主義国家とはいえない。自民党でなくても国政が動いてくれる健全な関係作り、古い秩序や既成概念をぶっ飛ばして欲しい。

 
で、現役の国会議員に、最近の国際問題についての疑問を聞いてみた。
 
日本政府が人道的立場から「ウクライナ難民」を受け入れるなら、パレスチナ難民も受け入れると表明して、力による現状変更を70年以上も続けるイスラエルへ経済制裁しなくてはいけなくなるのでは?が、質問の内容。
 
だから日本政府は「ウクライナ難民」でなく、「ウクライナ避難民」と言っているのですと、梅谷さんはなるほどの回答。
 
迂闊にも「避難民」と「難民」を同じに捉えていたが、かなりニアンスは違うし、例えば北朝鮮の脱北者は「経済的な個人亡命者」ということになるのだろうかネ。そういえば中国政府は、脱北者を「難民」と言ってしまうと北朝鮮との外交問題になっちゃうから、食料を求めて越境してきた「飢民」と呼んでいましたネ。
 
人道的な立場からだけでは捉えられない国際政治は難しいが、逆に一民間人の立場では、冠番組で沈黙したタモリさんのように「人道的に心を痛める」と表明するしかないということか。
 
民間人がフェイクだプロパガンダだとSNSで騒ぐと、どちらかの陣営のプロパガンダに肩入れすることにもなり兼ねず、ここは人道的に戦争に反対という立場を堅持する必要を感じた。
 
昨今のSNSでは、我こそは正義の味方!とばかりに陰謀論を主張する人を見かけるが、そんな人は情報の過呼吸に陥ってるかのように一日に何度も投稿するので辟易する。根拠の曖昧な情報ばかりを投稿したり、不愉快なレベルの投稿ばかりする人にはブロックしたりしている。