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3月10日は「東京大空襲の日」・・・歴史は祖先の遺言です

2022年03月10日 06時54分01秒 | 記録しておきたいヒト・モノ・本・映画
昭和20年3月10日未明の東京大空襲では、ヒロシマ・ナガサキに匹敵する11万人以上が死傷した。3月10日は盛大な式典が開催される「陸軍記念日」であり、米軍はこの日を狙って空襲したとする説もある。
ヒロシマ・ナガサキに比べて知名度が低いのは問題で、3月10日を忘れてはならない「東京大空襲の日」として顕彰すべきではないか。ちなみにヒロシマは13万人、ナガサキは7万人以上が死傷している。
 
にわかに信じがたいが、帝国陸軍は例年通りに空襲で焦土と化した大通りで軍楽隊を伴う大行進をした、と敗戦時の阿南陸軍大臣の伝記「一死、大罪を謝す」角田房子著・新潮文庫にあった。
 
国民の惨状を尻目に式典を強行した陸軍の愚行は、「海軍あって国家なし」と関係者から自嘲された海軍同様に「陸軍あって国家なし」と言っていいだろう。
 
ロシアがウクライナで使用したとされるクラスター爆弾は、「国際法に違反する非人道的行為」とアメリカは非難する。しかし東京大空襲で使用された焼夷弾はクラスター爆弾ではないのか。
 
米軍の言い分は、東京大空襲は軍需産業を支える下町の町工場を狙った戦略爆撃であり、無差別爆撃ではなかったと正当性を主張した。
 
しかし実際には江戸大火や関東大震災を詳細に検証し、日本家屋を作って効率よく焼き尽くす延焼実験まで行った、計画的な無差別爆撃であった。
 
米軍や日本に限らず、大義名分があれば無法も厭わないのが戦争。国際政治はキツネとタヌキの化かしあい。
 
戦争経験者なら、あちらが悪いこちらが正義などといった各国政府の公表を鵜呑みにする人はいないだろう。我々はただ道徳に従って判断すればいい、と思う。
 
*東京大空襲の絵画は墨田区ウエブサイトより借用