膳と椀の5脚セットが木箱におさめられた家具膳はバラした単品でないと売れないのだが、最近は丸ごと一箱を買ってくれる人が出てきた。
昨夜、輪島のKさんに電話して、一箱買いをした人の連絡先を教えて直接送ってもらう段取りをした。
黒より赤のほうが人気があり先に売れていく。お膳セットで買う人はおらず、椀類だけが売れていくので宗和膳(四つ脚膳)だけが売れ残る問題がある。
Kさんの家には黒と赤の家具膳が40人前ずつあったのに、公費解体までに売り切る見込みがたち感慨無量。
自他ともに認める「輪島の口の悪いババア」の婆ちゃんがご主人から電話をうばいとり「あいがとうねぇ!大好きだよう~!」と言われたのだが、最初はお金が絡むことなので警戒されてよそよそしかったのだ。能登に親戚ができるのも感慨無量。
黒は男性や年配者に人気。
黒の中でも内側だけ「留め塗り」をして松竹梅の意匠を施した椀は女性にも人気。
捨てるしかない漆器を売るだけならモノ売りで終わる。
これはヒスイも同じで、モノからモノガタリへと価値観をうつすのが、アイヌ文化や宮本民俗学から学んだわたしの縄文スタイル。
能登のおもてなし文化のモノガタリの継承と、利益を持ち主に還元するのが「輪島漆器義援金プロジェクト」。
共感して展示販売会をしてくれたり、求める人の存在が励みになっている。共感はチカラ。
また、モノについての考え方が素敵ですね。
私もこれから一層、縄文の歴史を交えた作品作りを目指して精進したいと思います*