四年前まで住んでいた、藤沢市の借家のお隣さんからメールが来た。
糸魚川に帰郷後はずっと音信が無かった下野さんという爽やかな青年だ。
仲間と八丈島にダイビングに行こうと計画していたら、台風接近で急遽新潟に変更になり、新潟のダイビング情報をネット検索したら俺のブログにヒットして連絡したとのこと。
親不知や県内の素潜りポイントをブログで紹介してきたお蔭で、懐かしい対面となった。
訪ねてきたのは下野さんとその友達の六名のダイバー仲間。
まず親不知のお気に入りポイントに案内して素潜りした。
翌日はタンクをレンタルしてスキューバダイビングの予定だ。
糸魚川の海に友人が遊びに来たなら、ヒスイ職人としてヒスイ拾いのレクチャーは必須だろう。
一時間ちかく素潜りをして体が冷えて休憩となったので、皆でヒスイを探した。
ヒスイを探し始めてたった三分・・・下野さんが「これってヒスイですかあ?」と見せてくれたのが小さいけれど深い緑色のヒスイ!
当日も何人かのヒスイハンターさん達が偏光サングラスとスエーダーといったフル装備で波打ち際を歩いていたのに、よくも初めての下野さんが拾えたもんだ。
ビギナーズラックにしても見事な原石。
無欲の勝利ってヤツ。
下野さんは優しくて気持ちのいい男だから、ヒスイの女神もどうせなら彼のような無欲なナイスガイに拾って欲しかったんだろうと思う。
落語的表現なら「親切の国から親切を広めにやってきたようなヒト!」って男が下野さんだ。
ダイビング後、一行を「ぬなかわヒスイ工房」に案内して、ヒスイに孔をあけてペンダントに仕立てた。
それはずっと昔から下野さんの胸元を飾っていたかのように馴染んでいた。
ヒスイも下野さんに拾って欲しかったんだろうし、案内して加工した俺にしてもやっぱり嬉しいもんだ。
無欲な男には、自然なままの素朴なヒスイがよく似合う。
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