迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

ダビデの星に変身するセミマクロレンズ ~INDUSTAR-61L/Z-MC 50mmF2.8

2016-10-16 21:29:52 | Lens made in RUSSIA, CHINA
ロシア(正確には1986年製のようなので、ソ連時代)のM42マウントの標準レンズです。
   

 構成 3群4枚
 フィルター径 49mm
 手動絞り
 重量 212g

昔から気になっていたレンズなのですが、最近はけっこうな値段がついていて、ちょっと手が出ないなと思っていました。
この間の東京交通会館で開催されたICS 世界の中古カメラフェア 2016で、距離不良品として格安の値段がついていたので、やっと入手することが出来ました。
距離表示が少しずれていること、絞り表示と距離表示の位置が合っていない、F11までしか絞れないことなど、たしかにちょっと不良品かもしれませんが、使う分には困りません。

このレンズの大きな特徴は2つ。
①最短撮影距離が0.3m
②絞りがF5.6からF8のときに星型になる
 

①けっこう寄れますので、マクロレンズのように使えます。
旧東ドイツ製の50mmレンズの、JenaテッサーやPancolar、MeyerのOrestonのように0.35mまで寄れるものはありますが、このレンズは更に寄ることができます。本格50mmマクロ(1/2倍)の0.23mまではいきませんが、相当寄れるのでセミマクロと呼んでもよいかもしれません。
②絞り羽根は6枚あるのですが、なぜかF5.6からF8のときに星型が現れます。まるでダビデの星のようです。F11にすると単なる六角形に戻ってしまいます。不思議ですね。

マクロレンズ的に使うと、何とびっくり。ボケがきれいです。

同じ3群4枚のJenaテッサーですと、近距離撮影でのボケがザワザワした感じになりますが、このレンズは全く違います。

では星形の絞りを活かすため、こんな写真を撮ってみました。

もちろん、普通の撮影距離では、カチッとした描写をします。

なかなか面白レンズです。気に入りました。


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