ずいぶん前に都内のある中古店で、銘板やヘリコイドがない剥き出しなジャンクの裸レンズを入手しました。M42口径のマウントだけは付いており、ヘリコイドアダプターを介して、0.4m位から無限遠まで使用できます。Lumix G2につけるとこんな感じです。レンズそのものは結構コンパクトです。
早速、持ち出して撮影です。画角から考えると50mmくらいのようです。絞りは付いていないので、すべて絞り開放での撮影になります。まず遠景。2m位の距離にある時計にピント合わせました。背後はボケています。時計も少し滲んでいるようです。
近接撮影では、後ろボケがざわざわしています。結構個性が強いようです。
もう1枚。白い花はうっすら滲んでいて、背後には少し輪郭のある玉ボケが出てきました。
背後に強い光を入れると、あれあれ、バブルボケがたくさん出てきました。しかもかなり強烈です。
このバブルボケ、どこかで見たことあるような気がします。
いずれも Lumix G2+謎のレンズ
レンズの素性が気になってきました。M42のマウント面には1か所切込みがありました。カメラに取り付けた時に一定位置でレンズを固定するための切込みのようです。手持ちのレンズの中から近い形状ものを探すと、見つかりました。富士フィルムST801などで使うフジノンレンズのM42マウントでした。赤で囲ったところが回転位置固定のための切れ込み、緑で囲ったところが絞り連動ピンで位置が一致しています。
FUJICA ST801に装着すると、カチッと音を立ててしっかり固定されました。
ではレンズはいったい何でしょうか。バブルボケで有名な富士のレンズといえば、FUJINON 55mm F2.2(M42)、並べて正面からレンズが反射する光を見ると、コーティングの色と位置と数が、一致します。
ということで、この裸のレンズは、FUJINON 55mm F2.2(M42)と推測されました。
以前に紹介したFUJINON 55mm F2.2は少し曇りがあるので、この裸レンズは重宝しそうです。面白いレンズだと素性が分かり、なんか得した気分です。