忙しい毎日、そしてヤナーチェクとシンフォニエッタ

昨日も忙しく、ウォーキングはお休みしました。
今回とりあげるのは1854年生まれのヤナーチェク。
彼はコダーイやバルトークの同じく、
各地の民謡を採集する活動を行った。
その活動は、彼の音楽にも大きな影響を及ぼしているようだ。

シンフォニエッタは、1926年に作曲された作品である。
チェコの体育協会から第８回全国大会用の
ファンファーレの作曲依頼されていた彼は、
1925年妻がいながらも交際を続けていたカミラと
公園を散歩する中聴いた軍楽隊の演奏から
インスピレーションを得て、書かれた作品のようだ。

第一楽章アレグレットはファンファーレ風に始まる。
中心としては金管楽器が活躍するのだが、
重要なのは打楽器が繰り返し打ち鳴らすリズムだろう。
第二楽章アンダンテは、民謡風の流れる旋律から始まる。
中間部でも、様々な民謡風の旋律が交互に登場しては消える。
後半は最初に流れた旋律が様々な形で展開される。
最後は最初の民謡風の旋律が再現されて終わる。
第三楽章モデラートはゆったりとした曲で、
木管楽器が歌う旋律と金管楽器の旋律をもとに展開されて、
金管が早いテンポで激しく刻むパッセージが印象的だ。
第四楽章アレグレットの冒頭トランペットが吹く旋律は、
何となくスペイン風でもあるが、
この旋律が様々な楽器に引き継がれながら展開されていく。
第五楽章アンダンテ・コン・モートの冒頭で
フルートが吹く民謡風の旋律は愛らしい感じであるが、
この旋律を中心に音楽は展開されていくが、
途中第一楽章冒頭のファンファーレ風の音楽が金管に現れる。
しかし、ただそのままの再現ではなく、
その音楽が変形されて展開されるのが心憎い。
最後音楽はそのファンファーレ風の音楽を中心に高揚し、
曲全体の統一感が示されつつ、全合奏で華々しく終わる。

ヤナーチェクの音楽は民謡風がベースにあるので、
旋律自体は親しみやすいところはあるが、
その音楽の中に垣間見せる技法は斬新で、
わかりにくいところもあるかもしれない。
でも、このシンフォニエッタはなかなかの傑作で、
一回聴くと、気が付くと思わず時々口ずさんいる自分がいる。
なかなか、強烈な印象を持たせる曲なのである。