温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

六日町温泉 龍氣別館

2015年08月25日 | 新潟県
 
前回記事で取り上げた「ゆあーず」を出た後は、国道117号沿いにあるへぎそばの有名店「由屋」に入って、ちょっと早めのお昼ごはんをいただきます。つなぎに布海苔を使った独特な食感が魅力のへぎそばは私の大好物。こちらのお店はボリュームが凄いことで有名なので、自分の目でその量を確かめ、味わってみたかったのでした。
お店の方曰く、一番小さいのは2人前の「小」(1800円)とのことなのですが、目の前に出されたものは明らかに2人前以上のものがあり、聞きしに勝るそのボリュームに圧倒されちゃいました。Cの字型に盛られた一口サイズのおそばが4×6の計24。こちらのお店では地元の玄そばを石臼挽きし、自前で打っているんだとか。蓬色のおそばはツヤツヤに輝いており、噛むと布海苔の香りが強く、弾力もしっかり。咀嚼する度に粘り気を帯びて泡立ちを感じます。ツルっとした滑らかな喉越しがとても爽快です。一方、おつゆの味付けはいくらか薄めなのですが、醤油の主張を抑えて出汁や味醂の風味を引き立てることにより、布海苔の香りを殺さないようにしているのかもしれません。3分の2を食べ終えたところで満腹感を覚えたのですが、好物を残しちゃ男の沽券に関わるので、頑張って全てを胃袋に押し込みました。うまかった。


 
お昼を過ぎて雪はますます酷くなる一方。この時既に中越地方には大雪警報が発令されていたのですが、我が愛車"CX-5"(FF車)は横殴りの吹雪を受けつつ八箇峠越えに挑みます。荒天のため、日中だというのに対向車なんてちっとも来きません。昨日に逆方向から走ったときには、ほとんどの区間で路面が乾燥していたのですが、この日未明からの雪によってあっという間に積雪し、同じ道とは思えないほど様相を異にしていました。


 
車両とタイヤの両方の性能が良く、また走りやすい雪質だったことも幸いして、一度も怖い思いをすることなく、全くスムーズに八箇峠トンネルまで登りきり、いとも容易にトンネルを通過。


 
八箇峠を越えて六日町市街へ下った後は、六日町トンネル付近にある六日町温泉「龍氣別館」へ立ち寄って温泉入浴することにしました。「龍氣」の本館は立派な旅館ですが、この「別館」はリーズナブルに宿泊したい客向けのビジネス旅館であり、日中は入浴や食堂の営業も行われているため、界隈の庶民にとっては憩いの場としても親しまれているようです。


 
館内はどことなくアンニュイな空気が漂泊していたのですが、それもそのはず、左手に広がる大広間では、お風呂から上がったオジサンオバサン達が、トドのようにグタっと横たわっていたのでした。厨房と一体化している窓口で湯銭を支払ってお風呂へと向かいます。こちらの施設は「薬石風呂」なるもの(右ot下画像)が売りなんだそうでして、湯銭とは別に料金を要するのですが、実際に専用の浴衣を着て利用しているお客さんの姿が見られました。岩盤浴みたいなものなのかな?



男女別の浴室内には、スカイブルーのタイルが敷き詰められた大小の浴槽が1つずつ据えられています。全体的に年季が入っており、くすみや退色は否めませんが、側壁にはレンガ調のタイルが採用され、床にも暖色系のタイルが貼られているため、スカイブルーの浴槽は存在感が際立っていました。
換気がしっかり行われているために、冬だというのに湯気篭りが無く、視界は大変良好でしたが、排気と給気のバランスに問題があって、脱衣室に対して若干負圧になっているためか、出入口のドアの隙間が常にヒューヒュー鳴っていました。


 
洗い場にはシャワー付きカランが5基、L字型に並んで取り付けられています。洗い場の隣にはサウナ室も並んでいるのですが、訪問時は使用停止となっていました。


 
大きな主浴槽には「天然温泉」のプレートが掲示されており、本物の温泉であることをアピールしていました。浴槽の大きさは(目測で)5m×3mほどで、無色透明のお湯が張られています。


 
湯口からは直に触れないほど熱いお湯が注がれていたのですが、温度調整のためか投入量は絞り気味です。館内表示によればお湯を循環していないとのことで、たしかにワインレッドの浴槽縁からは少量のオーバーフローが見られましたが、湯口付近の槽内には適温湯が出ている吐出口があり、また洗い場近くの槽内にははっきりと吸引している穴が確認できましたので(右or下画像)、生源泉の投入を行いつつ、循環装置と放流式を併用しているのかもしれません。そうした湯使いのおかげか、42℃前後の丁度良い湯加減となっていました。


 

副浴槽の寸法は3m×1.8mほど。こちら側では塩ビ管からお湯が注がれているのですが、主浴槽の湯口よりは温度が若干低く、しかも「ここからの湯は飲用ではありません」という文言が付されていました。なお、湯口付近には蓋を被せた浅い溝が主浴槽と副浴槽を貫通しており、これで相互にお湯を行き来させているのかもしれません。

お湯はほぼ無色透明ですが、浴槽の大きさに対して生源泉の投入量が少ないためか、いくらか濁っているように見え、正直なところ鮮度感もいまひとつ。湯浴み中に湯の香を嗅ぎとれるようなことは無かったのですが、湯口においてのみタマゴ風味が微かに感じられました。なお塩素消毒が行われているとのことですが、特にそれらしき知覚は気になりませんでした。癖のないアッサリとしたお湯ですが、滑らかでマイルドな浴感は体に優しく、それでいて湯上がりにはしっかり温まって汗が止まらなくなりました。やっぱり天然の温泉は、たとえ掴みどころが無さそうな見た目であっても、普通の真湯とは明らかに異なる、内に秘めたるパワーを有しているんですね。
 

六日町温泉第14号井
単純温泉 58.6℃ pH8.04 溶存物質675.8mg/kg 成分総計677.1mg/kg
Na+:185.1mg(84.38mval%), Ca++:19.5mg(10.17mval%),
Cl-:216.7mg(64.86mval%), Br-:0.7mg, SO4--:45.2mg(9.98mval%), HCO3-:121.4mg(21.13mval%),
H2SiO3:44.8mg,
塩素系薬剤使用(県公衆浴場条例の基準を満たすため)、加水加温循環ろ過なし

六日町駅より徒歩16分(1.2km)
新潟県南魚沼市余川2708-8  地図
025-773-2990
ホームページ

日帰り入浴10:00~21:00(受付20:00まで)(火曜は16:00で終了)
650円(17:00以降500円)
ロッカー(貴重品用)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
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