あけましておめでとうございます。
2020年も何卒御贔屓の程宜しくお願い申し上げます。
さて新年一回目は、御屠蘇気分を記事の上でも楽しむべく、昨年(2019年)の5傑で選んだ埼玉県都幾川温泉の「旅館とき川」を取り上げます。こちらは旅館と名乗っていながら宿泊することはできず、1日4組限定の完全予約制で、食事付の日帰り入浴のみを受け付けています。お財布の余裕のある温泉ファンから高い評価を得ているこちらのお宿では、果たしてどんなお湯に巡り逢えるのでしょうか。素寒貧一歩寸前の侘しい生活をしていながら、人一倍見栄っ張りの私は、宵越しの金を全部使い切る覚悟で、昨年8月の某日に予約をし、現地へと出かけたのでした。
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峠越えのサイクリスト達が多く疾走する県道172号線を山塊へ向かって西進し、途中で脇道に逸れて狭い山道を進んだ先に目的地の看板が立っていました。
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お宿の建物はまるで奥武蔵の木々に隠れるかのようにひっそりと佇んでいます。
駐車場に車を停めると中からお宿の方が出てきて案内してくださり、玄関では女将が恭しくご挨拶してくださいました。
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まずはお部屋へ通されます。2間で構成された和室で、とても綺麗で静かです。
なお客室は2室のみ。1日4組限定ですが、2室しかないため、昼2組、夕2組、といったように時間帯により分かれています。今回はお昼に伺いました。
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館内では浴衣に着替えてゆったり過ごします。男女ともに浴衣を選べるのですが、特に女性用は多く用意されているので、どれを着ようか迷うこと必至です。
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浴衣に着替えた頃合いを見計らって、女将がお抹茶を立ててくださいました。お菓子は柚子の羊羹。こちらのお宿は柚子がご自慢なんだそうです。ほっとひと息。
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お茶で潤った後は、いざ入浴。浴室も2室あり、予め指定されています。つまり貸切です。
脱衣室は広くて綺麗。素晴らしいです。
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脱衣室内に掛けられたプレートには、源泉100%のお湯を掛け流している旨が書かれていました。
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浴室はシンプルですが、よく手入れされており、石の鮮やかさと木のぬくもりがしっかり感じられる素敵な和の空間です。
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洗い場には計3つのシャワー付き混合水栓が取り付けられています。
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上述のように浴槽には源泉100%のお湯が注がれており、循環などは一切行われていません。そのお湯は無色透明で綺麗に澄み切っています。ほぼ無味無臭でこれといった癖などもありません。大変清らかなお湯なので、身も心もすっかり浄化されること間違いなし。
特筆すべきは日本で最もアルカリ性が強いことであり、なんとpH11.3という驚くべき値です。
かといってウナギ湯のように極端にヌルヌルするわけではなく、程よくヌルッとした感を伴うツルスベの滑らかで優しい浴感が全身を包んでくれます。私のようなオッサンを含め、誰しもが「アタシって美人になっちゃったかも」と湯中の自分の肌を擦りながら感動してしまうことでしょう。
ちなみに当地の自家源泉では鉱泉が自噴しているのですが、湧出温度が低いために加温されていますし、なによりも湧出量が毎分2.4リットルと少ないため、前夜のうちに翌日使うお湯をストックし、それを加温して浴槽へ供給しているのです。
「湯水の如く」源泉のお湯を使えず、しかもそんな貴重な資源をかけ流して提供しているため、お客さんの数を絞らざるを得ないのでしょう。実に涙ぐましい努力の賜物なんですね。
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客室にはこの鉱泉を紹介している書籍・雑誌類が並べられていました。中でも目を惹くのが高校の「化学Ⅰ」の教科書です。酸や塩基などを学ぶページで、日本で最もアルカリ性の強い温泉としてこの都幾川温泉が紹介されていました。旅行雑誌や新聞に掲載されることなら、他の温泉でもよくあることですが、教科書に載る温泉は滅多にお目にかかれませんね。
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この特徴的な鉱泉を使った温泉ミストや、このお宿ご自慢のゆずでつくったワインなどが販売されていました。
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こちらの施設は原則的に入浴とお食事がセットになった形で利用することになります。
お食事は柚子を使った薬膳料理のコースです。せっかくですので、お食事も簡単にご紹介しましょう。もちろん季節により献立が異なります。私はいただいたのは8月ですのでご参考までに。
まずは食前酒のゆずワインで口を潤します。前菜はゆず豆腐、枝豆と山芋が載った饅頭、なす煮浸し、ゆばといったラインナップ。この他、写真はありませんが茶わん蒸しも提供されます。
イワナの塩焼きは香ばしく、身もたっぷりで食べ応えがあり、実に美味でした。
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山芋の磯辺揚げ、ゆず小鉢といった山の幸のほか、メカブとオクラの甘酢和えという海山の合わせ技も登場。画像はありませんが、粟や稗などの雑穀を混ぜ込んだ薬膳ごはん、お吸い物、お新香なども出されます。品数こそ多いもののひとつひとつの量はとてもお上品なので、小食な女性でもペロっと食べられるかと思います。
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最後はアイスとフルーツ。今回出されたブドウは地元都幾川産なんだそうで、これが箆棒に甘くて美味しいのです。埼玉県のフルーツもなかなか上質なんですね。
掛け流しのお風呂で体を浄化し、美味しい薬膳料理で体の中もすっかり健康に。
お風呂は貸切ですので、時間内でしたら何度入っても構いません。
私も食後に軽くひと寝入りした後、思う存分に極上の鉱泉を堪能し、浮世を忘れてのんびりと湯浴みさせていただきました。1回の利用時間は4時間まで。こちらで過ごす4時間はあっという間に経ってしまいます。もっと長い時間過ごしたいなぁ。
いわゆる規定泉(メタケイ酸の項で温泉法の温泉に当たる)
14.9℃ pH11.3 2.4L/min(掘削自噴) 溶存物質0.219g/kg 成分総計0.219g/kg
Na+:39.2mg(47.11mval%), Ca++:35.1mg(48.21mval%),
CO3--:47.6mg(42.51mval%), HSiO2-:54.1mg(18.72mval%), OH-:16.0mg(25.13mval&\%),
平成2年8月13日
加温あり
加水循環消毒なし
埼玉県比企郡ときがわ町大字大野537
0493-67-0331
ホームページ
料金はホームページでご確認ください
私の好み:★★★
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2020年も何卒御贔屓の程宜しくお願い申し上げます。
さて新年一回目は、御屠蘇気分を記事の上でも楽しむべく、昨年(2019年)の5傑で選んだ埼玉県都幾川温泉の「旅館とき川」を取り上げます。こちらは旅館と名乗っていながら宿泊することはできず、1日4組限定の完全予約制で、食事付の日帰り入浴のみを受け付けています。お財布の余裕のある温泉ファンから高い評価を得ているこちらのお宿では、果たしてどんなお湯に巡り逢えるのでしょうか。素寒貧一歩寸前の侘しい生活をしていながら、人一倍見栄っ張りの私は、宵越しの金を全部使い切る覚悟で、昨年8月の某日に予約をし、現地へと出かけたのでした。
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峠越えのサイクリスト達が多く疾走する県道172号線を山塊へ向かって西進し、途中で脇道に逸れて狭い山道を進んだ先に目的地の看板が立っていました。
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お宿の建物はまるで奥武蔵の木々に隠れるかのようにひっそりと佇んでいます。
駐車場に車を停めると中からお宿の方が出てきて案内してくださり、玄関では女将が恭しくご挨拶してくださいました。
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まずはお部屋へ通されます。2間で構成された和室で、とても綺麗で静かです。
なお客室は2室のみ。1日4組限定ですが、2室しかないため、昼2組、夕2組、といったように時間帯により分かれています。今回はお昼に伺いました。
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館内では浴衣に着替えてゆったり過ごします。男女ともに浴衣を選べるのですが、特に女性用は多く用意されているので、どれを着ようか迷うこと必至です。
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浴衣に着替えた頃合いを見計らって、女将がお抹茶を立ててくださいました。お菓子は柚子の羊羹。こちらのお宿は柚子がご自慢なんだそうです。ほっとひと息。
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お茶で潤った後は、いざ入浴。浴室も2室あり、予め指定されています。つまり貸切です。
脱衣室は広くて綺麗。素晴らしいです。
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脱衣室内に掛けられたプレートには、源泉100%のお湯を掛け流している旨が書かれていました。
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浴室はシンプルですが、よく手入れされており、石の鮮やかさと木のぬくもりがしっかり感じられる素敵な和の空間です。
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洗い場には計3つのシャワー付き混合水栓が取り付けられています。
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上述のように浴槽には源泉100%のお湯が注がれており、循環などは一切行われていません。そのお湯は無色透明で綺麗に澄み切っています。ほぼ無味無臭でこれといった癖などもありません。大変清らかなお湯なので、身も心もすっかり浄化されること間違いなし。
特筆すべきは日本で最もアルカリ性が強いことであり、なんとpH11.3という驚くべき値です。
かといってウナギ湯のように極端にヌルヌルするわけではなく、程よくヌルッとした感を伴うツルスベの滑らかで優しい浴感が全身を包んでくれます。私のようなオッサンを含め、誰しもが「アタシって美人になっちゃったかも」と湯中の自分の肌を擦りながら感動してしまうことでしょう。
ちなみに当地の自家源泉では鉱泉が自噴しているのですが、湧出温度が低いために加温されていますし、なによりも湧出量が毎分2.4リットルと少ないため、前夜のうちに翌日使うお湯をストックし、それを加温して浴槽へ供給しているのです。
「湯水の如く」源泉のお湯を使えず、しかもそんな貴重な資源をかけ流して提供しているため、お客さんの数を絞らざるを得ないのでしょう。実に涙ぐましい努力の賜物なんですね。
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客室にはこの鉱泉を紹介している書籍・雑誌類が並べられていました。中でも目を惹くのが高校の「化学Ⅰ」の教科書です。酸や塩基などを学ぶページで、日本で最もアルカリ性の強い温泉としてこの都幾川温泉が紹介されていました。旅行雑誌や新聞に掲載されることなら、他の温泉でもよくあることですが、教科書に載る温泉は滅多にお目にかかれませんね。
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この特徴的な鉱泉を使った温泉ミストや、このお宿ご自慢のゆずでつくったワインなどが販売されていました。
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こちらの施設は原則的に入浴とお食事がセットになった形で利用することになります。
お食事は柚子を使った薬膳料理のコースです。せっかくですので、お食事も簡単にご紹介しましょう。もちろん季節により献立が異なります。私はいただいたのは8月ですのでご参考までに。
まずは食前酒のゆずワインで口を潤します。前菜はゆず豆腐、枝豆と山芋が載った饅頭、なす煮浸し、ゆばといったラインナップ。この他、写真はありませんが茶わん蒸しも提供されます。
イワナの塩焼きは香ばしく、身もたっぷりで食べ応えがあり、実に美味でした。
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山芋の磯辺揚げ、ゆず小鉢といった山の幸のほか、メカブとオクラの甘酢和えという海山の合わせ技も登場。画像はありませんが、粟や稗などの雑穀を混ぜ込んだ薬膳ごはん、お吸い物、お新香なども出されます。品数こそ多いもののひとつひとつの量はとてもお上品なので、小食な女性でもペロっと食べられるかと思います。
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最後はアイスとフルーツ。今回出されたブドウは地元都幾川産なんだそうで、これが箆棒に甘くて美味しいのです。埼玉県のフルーツもなかなか上質なんですね。
掛け流しのお風呂で体を浄化し、美味しい薬膳料理で体の中もすっかり健康に。
お風呂は貸切ですので、時間内でしたら何度入っても構いません。
私も食後に軽くひと寝入りした後、思う存分に極上の鉱泉を堪能し、浮世を忘れてのんびりと湯浴みさせていただきました。1回の利用時間は4時間まで。こちらで過ごす4時間はあっという間に経ってしまいます。もっと長い時間過ごしたいなぁ。
いわゆる規定泉(メタケイ酸の項で温泉法の温泉に当たる)
14.9℃ pH11.3 2.4L/min(掘削自噴) 溶存物質0.219g/kg 成分総計0.219g/kg
Na+:39.2mg(47.11mval%), Ca++:35.1mg(48.21mval%),
CO3--:47.6mg(42.51mval%), HSiO2-:54.1mg(18.72mval%), OH-:16.0mg(25.13mval&\%),
平成2年8月13日
加温あり
加水循環消毒なし
埼玉県比企郡ときがわ町大字大野537
0493-67-0331
ホームページ
料金はホームページでご確認ください
私の好み:★★★
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