(2023年3月訪問)
前回記事までに取り上げた壱岐の温泉は全て島の西部に位置する湯本温泉郷でしたが、今回取り上げる「いき湯川温泉」は島南部の郷ノ浦地区に位置しています。郷ノ浦地区は島の玄関口であり、多くの商店のほか壱岐市の市庁舎も置かれている島の中心的な役割を担うエリアですが、この郷ノ浦地区のちょっと外れに今回訪ねる日帰り入浴施設「いき湯川温泉」があります。
平屋の建物の真ん中に番台があり、そこで湯銭を支払います。私が訪問した時には券売機が故障していたため、窓口のスタッフさんに直接支払いました。
壱岐島内にある他の温泉施設に比べると脱衣室は広い方かと思います。なお室内にはドライヤーが用意されている他、ロッカーは下足箱の左側に設置されています。
お風呂は内湯のみで、大きな湯船と窓に貼られたスタンドグラス調の飾りが印象的です。湯船も湯本温泉郷の各施設と比べるとかなり大きいのではないかと思われます。彫刻が置かれた奥の湯口より絶え間なく温泉が注がれており、しっかり掛け流されていました。
洗い場にはシャワーが4つ並んでおり、ボディーソープやシャンプー類が備え付けられています。カランから出てくるお湯は普通の真湯です。
湯船に注がれる温泉のお湯ほぼ無色透明ですが少々クリーム色に靄掛かっているように見えます。口にしてみるとかなり塩辛い一方で、苦汁の味やカルシウム感は少なく、塩味がストレートに味覚を刺激するような感じです。湯本温泉郷のお湯と比べますと、食塩分は互角と言っても良いほどの含有量ですが、こちらはカルシウムが圧倒的に少なく、それゆえ塩味ばかりが前面に出て他の味が感じられなかったものと思われます。しかしながら浴槽まわりにはクリーム色の析出がこびりついていたので、少量とはいえ長年にわたって少しずつカルシウム分が固着してゆくのでしょう。カルシウムが少ないため湯本温泉郷のお湯よりも食塩泉的なツルスベをしっかり得ることができますので、滑らかな浴感をお求めの方はこちらのお湯がおすすめです。訪問時はそんなに熱くなかったので、ついつい長湯したくなったのですが、でも塩分が濃いので長湯は禁物です。適度に温まったら湯船から出た方が宜しいでしょう。
湯口に置かれた彫刻はご当地出身の小金丸幾久さんが制作したもので、数々の賞を受賞している有名な彫刻家の方なんだそうです。
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 44.3℃ pH6.9 湧出量測定せず(動力揚湯) 溶存物質9.25g/kg 成分総計9.35g/kg
Na+:2496.8mg(87.05mval%), Mg++:62.7mg, Ca++:43.9mg,
Cl-:2944.4mg(60.57mval%), Br-:13.4mg, I-:2.0mg, HCO3-:3282.6mg(39.23mval%),
H2SiO3:46.9mg, HBO2:26.4mg, CO2:95.0mg,
(平成22年2月9日)
長崎県壱岐市郷ノ浦町片原触416
0920-47-2251
14:00~22:00
600円
ロッカー・シャンプー類・ドライヤーあり
私の好み:★★+0.5