温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

十和田湖温泉郷 奥入瀬温泉 灯と楓

2019年01月10日 | 青森県
 
前回記事に引き続き青森県の温泉を巡ります。
十和田湖観光の拠点となる十和田湖温泉郷の焼山温泉エリアでは10軒以上の宿泊施設が営業しており、各施設とも猿倉温泉から引いたお湯をお風呂でお客さんに提供しています。拙ブログでもこれまで当エリアの温泉宿をいくつかご紹介していますが、今回訪問するのは「灯(あかり)と楓」です。十和田湖温泉郷バス停の目の前という交通至便なロケーションに、最近オープンした新しいお宿です。


 
新しいと言っても建物自体は以前からあり、元々は別の旅館でしたが、大規模にリノベーションしてリニューアルオープン。外壁を濃い紺に塗り直すことによりシックで落ち着いたファサードに生まれ変わりました。建物の周りには薪が積み上げられています。冬に館内で使うのでしょうね。


   
館内も綺麗にリノベーション。明るくウッディで北欧風のインテリアデザインです。今回は入浴のみの利用をお願いしたところ、スタッフの方は快く受け付けてくださいました。所定の料金を支払うと、籐の籠にタオル(大小1枚ずつ)を収めてくれます。そしてお風呂の前まで案内してくださいました。階段をおり、廊下を進んだ突き当たりがお風呂です。



話が前後してしまいますが、お風呂へ向かう階段を下りてすぐのところにある大広間(休憩利用可能)には・・・


 
子供の遊具やプラレールがたくさん用意されていました。子供連れ親子にやさしいお宿でもあるんですね。プラレールは巨大なレイアウトが作られているので、もしかしたら子供よりもお父さんが童心にかえって夢中になっちゃうかも。


 
また、館内の廊下に設けられている窓サッシは昔のままなのですが、上から木の短冊みたいなものをテグスで吊すことにより、古いサッシを目隠しするとともに、優しい木の温もりを醸し出していました。素敵な工夫ですね。


  
話をお風呂に戻します。リフォームされて綺麗な脱衣室の足元は畳敷きで快適です。設置されている荷物入れの籠は市松状の色違い。また腰掛もデザイン性の高いものが用意されていました。



洗面台はひとつしかありませんが、ドライヤーやアメニティはしっかり用意されていますので安心です。なお洗面台の下には小さなロッカーが備え付けられていますが、日帰り入浴客が使えるのかは不明です(宿泊客用?)。


 
お風呂は男女別の内湯のみです。立地の関係で窓から外の景色を眺めることはできませんが、屋外側は坪庭のようになっており、植えられた木々の緑を目にしながら湯あみを楽しむことができます。
男湯の場合、浴室の左側にシャワー付き4基が並んでいます。なおシャワーから吐出されるお湯は真湯です。このシャワー(カラン)は新しいもので、以前は4つ以上設置されていたようだですが、現在は数を減らすことにより一人分のスペースを拡げて、使い勝手やゆとりを確保しています。


 
浴槽はおおよそ6~7人サイズかと思われます。周囲はタイル貼りですが、浴槽内には十和田石が敷かれています。また湯船の深さは一般的部分と浅い部分に分かれています。
男女両浴室を隔てる塀側に岩が積まれており、その上から温泉がチョロチョロ投入されているほか、耐熱塩ビ管からも浴槽内へ供給されています。お湯の供給量はあまり多くないため、訪問時の湯加減はちょっとぬるめでした。長湯にはもってこいです。

当記事の冒頭でも述べましたが、こちらは焼山温泉エリアのお宿ですから、周辺施設と同じく猿倉温泉の混合泉を引湯しています。いかにも蒸気造成泉らしく、薄いタイプのお湯にもかかわらず白い湯の花が舞っていましたが、周辺施設のお風呂と異なりこちらは相対的にあまり多くなかったような気がします。こまめに清掃している証でしょうか。お湯からはほんのりと砂消しゴムのような味と匂い、そして弱めながら酸っぱい味が感じられます。

開発から相当の年月が経ち、お疲れ気味の施設が多い当エリアにあって、現代的な感覚に溢れた館内はとても綺麗。しかもユーザー目線に立った配慮がなされており、女性受けは間違いなく良いでしょう。日帰り入浴に関してはタオル付ゆえ手ぶらで利用できるので、とても便利です。私が訪問した時点(2018年秋)では、まだ客室はリノベーションをしていないとのことでしたから、今後に期待です。


猿倉温泉混合泉(再分析)
(小笠原2号、注水井2号井泉、小笠原4号泉、小笠原7号泉、注水井1号井泉、注水井3号井泉)
55.8℃ pH6.51 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質0.503g/kg 成分総計0.541g/kg
Na+:65.4mg(46.79mval%), Ca++:53.7mg(44.15mval%),
Cl-:54.2mg(25.59mval%), SO4--:195.1mg(67.89mval%), HCO3-:20.4mg,
H2SiO3:89.8mg, CO2:38.1mg,
(平成23年7月12日)
加水加温循環消毒なし

青森県十和田市大字法量字焼山64-108
0176-74-1102
ホームページ

日帰り入浴11:00~22:00 火・水・木休み
700円(バスタオル・フェイスタオル付 タオルセット不要の場合は100円引)
シャンプー類・ドライヤーあり 

私の好み:★★+0.5


コメント (4)
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七戸町 ほっとプラザ杉の子温泉

2019年01月06日 | 青森県
あけましておめでとうございます。
今年も細々と続けてまいりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
いつもですと新年一発目の記事でちょっと変わった温泉を取り上げておりましたが、昨年は冒険らしい冒険にちっとも挑んでいなかったため、華々しくご紹介できるようなネタがございません。従いまして、昨年末から連続して取り上げていた東北の温泉施設を引き続き取り上げます。今回スポットライトを当てるのは七戸町の「ほっとプラザ杉の子温泉」です。


 
東北新幹線の線路近くに位置し、目の前には潤しい水田が広がっています。周囲には何もなく、目印となるような建物もないため、ボーっとしていると見逃してしまうかもしれません。チコちゃんに叱られませんようご注意を。とはいえ、いかにも青森県の温泉銭湯らしく早朝から営業しており、私の訪問日も朝から多くのお客さんで賑わっていました。



下足場奥の左右にある券売機で湯銭を支払い、出てきたプラ券を左前の番台へ差し出します。番台の右側には休憩用のラウンジが広がり、その奥には家族風呂と休憩室が並んでいるのですが、今回家族風呂は使っていません。大浴場のみの利用です。


 
内湯は天井が高くて広々としたタイル貼り。浴室の手前側には洗い場が配置されており、カランが合計で38基設置されています。なおカランは固定式シャワーと押しバネ式(宝式)水栓という青森県の銭湯で非常によく見られるスタイルの組み合わせです。洗い場の右側にはサウナがあり、健康サウナ(一般的サウナ)と塩サウナという2室が並んでいます(とはいえ私は使っていないので、サウナについてはよくわかりません)。さらには、サウナの隣に水風呂・寝湯・電気風呂が並んでいます(寝湯だけ当浴場唯一の循環ですが、これは水流を発生させるためだとか)。
浴室の奥に据えられている主浴槽は幅約5m弱、奥行2.5mほど。やや深めで入り応えがある造りです。この浴槽には加水によって温度調整されたお湯が大量投入されています。そしてそのお湯は主浴槽の隣にある小さい副浴槽へ流れ込み、副浴槽から惜しげもなく洗い場へと溢れ出ていました。加水されているものの主浴槽はやや熱めですが、そこからのお湯を受けている副浴槽は入りやすい湯加減に落ち着いていました。



内湯から露天風呂へ出る手前のバッファゾーンには小さな打たせ湯があるんですね。ここを経由して露天風呂へ。



露天にもいろんな浴槽があります。右から反時計回りに紹介していきますと、主浴槽(じょうもんの湯)、岩風呂(小岩風呂)・歩行浴(高瀬の湯)、そして1人用のバスタブ、という順に並んでいます。



打たせ湯部屋の窓を挟んだ外側に据え付けられている一人用バスタブは「桶湯」とネーミングされているのですが、実際には単なる小さなバスタブのようです。本来はハーブを入れて使うものらしいのですが、いまは単なる壺湯と化しているようでした。


 
露天風呂ゾーンの中央部には温泉の蹲踞があり、熱い温泉をチョロチョロと滴り落としているのですが、その筧の下には白い析出が付着していました。析出を見て興奮する客なんて、私しかいないでしょう。


 
露天の主浴槽は「じょうもんの湯」と称し、加水により適温に調整された温泉が張られています。屋根が掛けられているので、多少の雨雪ならしのげそうです。


 
じょうもんの湯の隣、露天風呂ゾーンの最奥にあるのが小岩風呂。ぱっと見たところでは4~5人サイズでしょうか。こちらの浴槽では100%そのままの源泉を投入しており、非加水のためとっても熱いのですが、一度慣れると不思議な気持ちよさを覚えてしまう浴槽でもあります。源泉そのままのお湯は岩積みの湯口から滔々と供給されていました。



歩行浴は近所を流れる川の名前にちなんで高瀬の湯と名付けられています。高瀬川と言っても京都の先斗町を流れる同名の川と違ってこちらに風情はなく、ただ田んぼや山林の間を縫うようにしてを流れるごくごく普通の川ですが、地元の方にとっては郷土を代表する清流なのでしょう。この歩行浴にも温泉が張られていますが、体を動かしやすいようにするためか、湯加減はぬるめに調整されていました。また底には足つぼを刺激する小石が埋められており、人によっては痛いかもしれませんが、私の体にはいい感じで足つぼがグイグイ押されるので、気持ち良さにつられてついつい何周も回ってしまいました。

さて、肝心のお湯についてですが、見た目は無色透明で、湯の中に小さな浮遊物がチラホラ見られました。おそらく湯口を布で濾していないので、このような物が浮遊していたのでしょう。食塩泉なのでしょっぱいのですが、匂いは特にありません(若干塩素の匂いがあったかも)。湯中では食塩泉的なツルツル浴感がしっかりと肌に伝わってきます。若干の引っかかりもあるのですが、メタケイ酸も多く含まれているのでツルツル滑らかな浴感がはっきり得られるのでしょう。源泉そのままだと熱いので、加水してちょうど良い湯加減になります。なお館内表示によれば塩素消毒されているそうですが、私の実感ではそれほどに気になりませんでした。各浴槽で全量掛け流しを実施。湯量豊富なんですね。
参考までに、私が利用した日曜の朝8時で先客5~6人でしたが、9時になるとさらに多くのお客さんがやってきました。しかも年配者のみならず比較的若い客層もいらっしゃいました。老若男女から愛されている地元に無くてはならない温泉です。


長沢下温泉
ナトリウム-塩化物温泉 52.2℃ pH7.73 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質2.948g/kg 成分総計2.954g/kg
Na+:976.5mg(93.61mval%),
Cl-:1416mg(88.30mval%), Br-:4.2mg, I-:0.2mg, SO4--:127.0mg, HCO3-:152.5mg,
H2SiO3:183.0mg,
(平成21年3月31日)
源泉温度が高いため。ただし露天の小岩風呂は源泉100%。また歩行湯は冬季に加水していません。
浴槽は全て掛け流し(ただし寝湯は噴流を起こすため循環させている)
塩素系薬剤使用(衛生管理のため)

青森県上北郡七戸町字中岫長沢下5番地18
0176-68-2220

6:00~22:00
310円
ロッカー・ドライヤーあり、石鹸類販売あり
本記事では紹介していませんが家族風呂もあります

私の好み:★★+0.5
コメント (4)
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