町をゆくと、様々な声が聞こえてくる。
今日、あなたはどれだけ稼ぎましたか?
今日、あなたはどれだけの人に会いましたか?
今日、あなたは充実感を得ましたか?
今日、あなたはどれだけ重要でしたか?
山をゆくと、何も声が聞こえなくなる。
反対に、私の方から問いかけたくなる。
この小さな薄紅色の花は何ですか?
あの木立の向こうには何があるのですか?
ここから見下ろす景色はどこですか?
どうして風がこんなに気持ちいいのですか?
もちろん、答えは返ってこない。
森は私一人に構ってはくれないのである。
ここでは、私は一個の動物に過ぎない。
それがこんなにも心地よい。
※写真は守屋山
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