た・たむ!

言の葉探しに野に出かけたら
         空のあお葉を牛が食む食む

竹鶴35年

2009年03月11日 | 食べ物
 とあるバーで。

 借金してでも飲みたい酒があることを知った。あと数滴ほどボトルに残っているのを追加注文しようとしたら、それは予約が入っているので駄目だと言われた。何でも、東京からわざわざその数滴を嗅ぎに松本まで来る人がいるらしい。ほんとか知らん。閉店後マスターが自分で飲みたいだけなのではなかろうか。

 空になったグラスを、未練がましく何度も鼻にあてる。

 35年は、私と同じ歳である。ついでにマスターとも同じ年である。こんな芳しい歳の取り方を我々はしているだろうか、と彼に問うたら、首筋のあたりから、と彼が答えた。首筋のあたりから、おやじ臭がしてますよ、と。

 冗談じゃない。35歳はこんなに若く、深みがあるのだ。こんなに素敵なのだ。よし、何だか元気が出てきた。マスター、お勘定。
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2 コメント

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変化 (小エピクロス)
2009-03-18 09:19:17
お久しぶりです。お元気な様子で何よりです。35歳は大きな節目のようですね。男はこの頃に大きな変化を迎える、と、私は聞いていました。おそらく、肉体に伴って、精神的なものも変化するのでしょう。

「35歳はこんなに若く、深みがあるのだ」と心底思い続けていたいものです。

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小エピクロスさんへ (阿是)
2009-03-21 23:43:15
コメントありがとうございます。そうですか。男はこの頃に大きな変化を迎えるのですか。そういえば最近、晩酌のとき、椅子の上に片足だけあぐらをかいた状態で缶ビールを飲むようになりました。気分がいいと横腹を掻いたりしています。そうかあ。大きな変化とはこういうことだったのかあ。

いやいや、35歳は若く、深みがあるのです。そのはずなのです。
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