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7月6日 カレーの話

2009年07月06日 | 食べ物
 自分はカレーが好きである。カレーならいつでも食べられると思っている。そこがおかしい。自分のようなカレー崇拝は世間に割合多いみたいだが、そうなると世間一般がおかしい。人間の体というのはいろいろなものを食した方が喜ぶに違いないのだ。ご飯やみそ汁が好きというのは、長年の習慣のなせる技だからまだわかる。なぜカレーなのだ。本当はもう食堂に入ってカレーなど注文したくないのである。馬鹿の一つ覚えみたいに思われるのは嫌なのだ。「今日はあっさりと蕎麦でも啜るかな」とか、「香ばしい匂いがするからヒレカツにしてみよう」とか、「この季節はサンマでしょう」とか言ってみたいのだ。もちろん自分も大人である。そういうものを注文するときもある。しかし注文する端から、ああ、やっぱりカレーにしておけば良かったかあと内心後悔するのである。また逆に、カレーを注文した場合でも、ひと匙口に入れた途端、ああ、このわかりきった味をどうして自分はこんなせっかくの旅先のレストランで注文したのだ! とやっぱり後悔するのである。こうなるともはや、カレーに対して憎悪の念すら湧く。しかしカレーは、憎悪の念が湧いても口にできるのである。不思議である。
 結局、刺激なのだろうか、と推測する。複雑に絡み合い畳みかける香辛料の刺激が、胃袋と脳に心地よい満足感をもたらすのだろうか。何しろ現代はお金を出して刺激を得る時代である。いやいや現代まで話を広げる必要はないか。
 ところで今日の昼は外食する必要があり、ラーメンを食べた。ラーメンもなかなか魅力的で魔力的な食べ物である。しかしどうしてもカレーには敵わない。ラーメンはいろいろなラーメンを試してみたくなるが、カレーはカレーでいいのである。
 底が知れない。こういうのを相手にして書くと収まりがつかなくなるから、もう止めにしよう。
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