一関市川崎町薄衣字柏木 2009年10月4日(日)
2009年10月4日(日)、一関市博物館主催の「大人の調べ学習~気仙沼街道を行く(第4回)」という催事が行われました。一関市役所川崎支所(川崎町薄衣字諏訪前)に集合して、「気仙沼街道」と呼ばれた古道をバスと徒歩で訪ねるもので、参加者は15名。
川崎支所~薄衣新町~漆崎の古碑群&古井戸~鴨地の姥桜&古碑群~往還塚と進み、薄衣字柏木にある「笠松と古碑群」の見学です。
岩手県指定天然記念物(1976年3月23日指定) 薄衣の笠松 2号木
指定時:根本幹囲2.91m、目通幹囲2.51m、樹高8.00m。
笠松(かさまつ)
薄衣字柏木にある笠松は、赤松の一種で樹枝が典型的な笠(傘)型を呈しており、その樹形・樹勢ともに良好な上、大きさ等すべての面で本県随一のもので、昭和51年3月、岩手県指定天然記念物(植物)に指定された。指定地域内には3株の老松のほか、7株の幼松が自生していて、いずれも同種と目され、これ等を含め指定された。樹齢は約600年と推定されている。
薄衣では樹齢千数百年と伝え、伊達藩時代にも伊達領内の名木として書き上げられ、当時伊達政宗が当地を通った折、これを嘆賞して仙台・青葉城内に移すよう命じたが、移植が容易ではないので家老の才知で、「いかに天下の名木でも、道路下の松だから、此れを移植するのはいかがなものか」との進言により、移植をとりやめたことから、「見越しの松」とも呼ばれている。地元では笠松保存会をつくって、保存につとめている。[熊谷印刷出版部発行、岩手県文化財愛護協会編、小林文夫著、岩手県市町村地域史シリーズ45「川崎村の歴史」より]
上の2つの画像は、岩手県指定天然記念物(1976年3月23日指定)の薄衣の笠松(1号木)、推定樹齢600年。指定時の根本幹囲5.64m、目通幹囲5.70m、樹高7.00m。
古碑群があるのは薄衣字泉舘に属する「泉舘いこいの広場」の道路側の斜面で、ひとつは地面に埋まっていました。
アカマツ(赤松) マツ科 マツ属 Pinus densiflora
山野に生える常緑高木。幹は直立するか、やや曲がり、高さ30~35mになるが、大きいものでは高さ50m、直径2.5mに達するものもある。樹皮は赤褐色または黄赤褐色で、幹の下部は暗赤色。若木の樹皮は浅く、老木になると亀甲状の割れ目が入る。冬芽は赤褐色の反り返った鱗片に包まれている。枝は若木では輪生し、円錐状の樹形になるが、老木の枝は水平に張り出して傘形の樹冠になる。葉は2個ずつ付き、長さ7~12㎝の針状で、クロマツ(黒松)に比べると柔らかく、基部は膜状の褐色の鞘に覆われている。葉の横断面は半円形。花期は4~5月。雄花は若枝の下部に多数付き、長さ約1㎝の円柱形で緑黄褐色を帯びる。雌花は紅紫色で若枝の先端に2~3個付く。雌雄同株。球果はクロマツより少し小さく、長さ3~5㎝の卵状円錐形で、翌年の10月頃に淡黄褐色に成熟する。種子は長さ約5㎜の倒卵形。翼は種子の長さの役3倍で披針形。クロマツやアカマツの松やにからはテレピン油やワニスをつくる。アカマツ林の楽しみはマツタケ(松茸)だが、年々荒廃が進んでいる。和名は、樹皮が赤褐色であることによる。クロマツの「オマツ(雄松)」に対して「メマツ(雌松)」ともいう。分布:北海道(西南部)、本州、四国、九州。