2010年3月12日(金)、岩手蘭友会主催の「第23回岩手洋らん展」が、奥州市水沢区横町2-1にあるメイプル(Maple)4階の催事場で始まりました。3/12~3/14(日)、10:00~17:00時(最終日は16:00時まで)、入場無料。この洋らん展では、さまざまな品種のランが紹介されていましたので、沢山撮った写真を数回にわたってご紹介します。
シンビジューム、、デンドロビューム、パフィオペディラムなど、会員らが丹精込めて育てた鉢がずらりと並び、来場者が鮮やかな花とかぐわしい香りを楽しんでいました。世界のランを多数取り揃えた即売コーナーも人気で、お気に入りの鉢を買い求める市民らでにぎわっていました。
(下)パフィオペディラム”ウィンストン・チャーチル” Paphiopedilum属
Winston Churchill:1951年にイギリスで登録された名品。特にインドミタブル(Indmitable)という個体は整形大輪点花の交配親として大変有名。現在でも人気は衰えず、今だに交配親の第一線で活躍している。現在までに交配登録されたものだけでも約270種あり、その数の多さには驚かされる。[日本放送出版協会発行「NHK趣味の園芸・世界のラン 不思議な魅力 原種・交配種450」より 江尻光一著]
(上と下3つ)パフィオペディラム マジカルパワー”ワイルドキャット” Paphiopedilum属
(下3つ)パフィオペディラム バレリートーキン”ゴールデン”× スキンバートレット”ホワイトペーパー” Paphiopedilum 属
(下2つ)パフィオペディラム マサリン × アマンダ Paphiopedilum属
(下2つ)パフィオペディラム コーブリエ × セイントペータークレバー Paphiopedilum属
(下2つ)パフィオペディラム ウェルテリアナム Paphiopedilum属
(上と下)パフィオペディラム デレナティー Paphiopedilum delenatii
ベトナムのトンキンで1913年にフランス人により発見され、デレナ氏に送られたのが始まり。この株は失われたが、1922年に再発見され、これに実をつけて種子を播き育てたものが現在各地で栽培されている株。ピンク系の品種をつくる重要な親株で、これから生まれたものに、バンダ・エム・ピアマンやメルセデス・ギャロップなどの名花がある。開花は冬から春。最低15℃ぐらい保たないと越冬が困難。[NHK趣味の園芸・江尻光一]
(下2つ)パフィオペディラム エグゼル Paphiopedilum属
パフィオペディラム(Paphiopedilum)ってどんなラン?:食虫植物を思わせる袋状のリップが特徴的。多くのファンをもち、欧米ではレディース・スリッパの別名でも親しまれています。低温に強く、2カ月以上は咲き続ける種がほとんどです。開花期:12~3月。
パフィオペディラムは、東南アジアを中心に120種近い原種が知られる地生ランです。日本に自生するアツモリソウやキマガイソウとも近縁で、最近でもまだ新種の発見が報告されています。俗に略称で「パフィオ」と呼ばれ、趣味栽培家にとっては最も人気の高い洋ランのひとつといえるでしょう。すでに100年以上にわたる品種改良の歴史から、多くの素晴らしい園芸品種が生まれました。その仲には銘花、銘品として歴史に名を残し高価に取り引きされるものから、一般の鉢花同様にカジュアルなものまで多種多様な品種があります。
原産地では、湿度が高く、通風がよく、直射日光が差し込まない比較的涼しい場所に、好んで根をおろします。洋ランの多くは樹上や岩場に根を張る着生ランから改良された種類や、地生ランでも比較的乾燥に強い種類が多いものです。しかしパフィオペディラムの適性環境はこれらの洋ラン類とは決定的に異なり、むしろ土で栽培する一般草花や山草などに共通する条件が必要になってきます。栽培にあたってはこうした自生環境の特徴を念頭においてください。[以上、主婦の友社発行「やさしい洋ラン 最新品種と育て方180種」より]