船魂神社:北上川河口部に位置する船魂神社は、名前の通り船魂を祀るもので、海上安全の守護神である。船魂とは、造船の際に帆柱の根元などに祀られたもので、したがって、船乗りだけでなく、造船関係者の信仰も篤かった。付近は近世に播磨国明石から来たとされる造船関係者が集住したところである。[佐々木 淳 ・著 ”石巻港の「みなと文化」”より]
2010年12月1日(水)、宮城県石巻市門脇町三丁目の船魂神社&門脇町第二ちびっこ広場に立ち寄りました。境内に植えられているトベラノキ(扉の木)が、実を沢山つけていました。早いものは実が黄色く色づいて3つに割れ、赤い粘った種子を出していました。
トベラ(扉・海桐花) トベラ科 トベラ属 Pittosporum tobira
独特の臭気があり、枝を節分や除夜の魔除けとして扉に挿したことからトビラノキ(扉の木)とも呼ばれる。海岸近くに生える常緑低木で、庭や公園にもよく植えられている。よく枝分かれして、高さ2~3mになる。葉は枝先に集まって互生し、長さ5~10cmの倒披針形または長楕円形で革質、表面は深緑色で光沢があり、裏面は淡緑色。縁は全縁でしばしば裏側に巻く。
4~6月、本年枝の先に集散花序を出し、香りのよい白い花を上向きに多数開く。花は直径約2㎝で、はじめは白く、やがて黄色くなる。花弁は5個で長さ9~11㎜のへら形。萼片は5個で長さ約3㎜の卵形。雌雄別株。雄花の雄しべは5個で、花糸は約7㎜。雌花では花糸が短く、葯も小さい。雌しべは1個。
果実は直径1~1.5㎝の球形の蒴果で、灰褐色に熟すと3つに割れ、粘液に包まれた赤い種子を出す。種子にも特有の臭気があるが、野鳥の好物。用途:庭木、公園樹。分布:本州、四国、九州、沖縄、朝鮮南部、中国、台湾。[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑1・春の花」&同「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より]
葉を観賞や薬用に用いるトベラの栽培:トベラは公園に植栽されたり、生け垣として植えられたりすることが多い。常緑の葉は通年庭を彩るほか、薬用にもなる。栽培する際は、暖地性の樹木のため防寒を考慮するほうがよい。比較的生長が早いので、適宜剪定を行う。トベラの園芸品種には、葉に黄色や白の斑が入るものもあり、さまざまな表情が楽しめる。7~8月、葉を刈り取り日干しにしたものを「海桐(かいとう)」といい、寄生虫の皮膚病に効く。[柏書房発行「自分で採れる薬になる植物図鑑(昭和薬科大学教授・増田和夫:監修)」より