先日、「マンハッタン」で「アメリカン・ウィスキー」について書いていて、これはゼヒ書いておかなきゃな…と思ったことがあります。ウィスキーの定義というのは、実は、生産される国によって違うのです。各国の税法上の都合によるのです。
日本でわかりやすく言えば、「ビール」と「発泡酒」これも税法上の分類ですよね。シロウトには、何か原料の割り合いが違うらしい…ということしかわかりませんよね。
実は、日本はウィスキー製造の歴史はとても浅いこともあって、税法上のウィスキーの定義はむちゃくちゃなのです。これはまた別の機会に書きますね。
今日は私の大好きなスコッチ・ウィスキーについて♪
ウィスキーの歴史は「密造」と「隠匿」の歴史
…と、先日も書きました。
ウィスキーが琥珀色の液体になったのは、19世紀以降なのです。スコットランドとイングランドが併合され、イングランドの税法によって、麦芽を原料としたウィスキーも課税されるようになった為、小さな蒸留業者はハイランド地方の谷間に逃れ、シェリーの樽に入れて、買い手がつくまで隠しました。ハイランドのスペイ川流域に「GLEN◯◯」という名前の蒸留所がたくさんあるのはそんな背景があるのです。
スコットランドの短い夏。痩せた野山にも毎年、薄紫のちいさなヒースの花が咲き乱れ、それが堆積して泥炭(ピート)になります。麦芽を乾燥させる際に、このピートを焚きます。スコットランドでは昔、野山に無尽蔵にあるこのピートが唯一の燃料でした。そして、ピートの香りが、スコッチの最大の特徴なのです。
スコッチのグラスを手にとるとき、私はスコットランドの大麦畑とその上に広がる空を思い浮かべます。スコッチを飲むということは、この液体が過ごしてきた時間との出会いのような気がします。一面の大麦畑で風にそよいでいた時間、樽の中でオークの香り、さらには、幽かに香る樽の外の海の香りを嗅ぎながらゆるゆると眠っていた時間、眠りから覚めて、ボトリングされ、きれいなラベルを貼られて出会いを待つ時間。思いきり擬人法になってしまいます。こんなふうにしか書けませんのです!愛おしくて

先日はこのブログ内「バーテンダースクール」のページで、最高の出会いについて紹介させていただきました。(3/17)
「ストラスアイラ」私の生まれた年のビンテージものです。時には、たった一口の酒が身体の中から、自分自身の過ごしてきた長い時間を語りかけてくれているような感動を覚えることがあります。ま~それほどの酒に出会えるのは、一生に1度か、多くても数回でしょうけど。
しかし、それを言うなら、ワインも、ブランデーも、日本酒も、さらにはすべての料理も「出会い」でしょう。TVなどで、有名なお店のシェフが「料理は出会いです」などと言っているのを耳にしませんか? 素材同士の出会い、素材と料理人の出会い、料理と人との出会い…
素晴らしい出会いはいつも自分から探し求めて見つけるものだと思います。
写真はハイランドの大麦畑
新潮社「スコッチ・モルトウィスキー」より

日本でわかりやすく言えば、「ビール」と「発泡酒」これも税法上の分類ですよね。シロウトには、何か原料の割り合いが違うらしい…ということしかわかりませんよね。
実は、日本はウィスキー製造の歴史はとても浅いこともあって、税法上のウィスキーの定義はむちゃくちゃなのです。これはまた別の機会に書きますね。
今日は私の大好きなスコッチ・ウィスキーについて♪
ウィスキーの歴史は「密造」と「隠匿」の歴史
…と、先日も書きました。
ウィスキーが琥珀色の液体になったのは、19世紀以降なのです。スコットランドとイングランドが併合され、イングランドの税法によって、麦芽を原料としたウィスキーも課税されるようになった為、小さな蒸留業者はハイランド地方の谷間に逃れ、シェリーの樽に入れて、買い手がつくまで隠しました。ハイランドのスペイ川流域に「GLEN◯◯」という名前の蒸留所がたくさんあるのはそんな背景があるのです。
スコットランドの短い夏。痩せた野山にも毎年、薄紫のちいさなヒースの花が咲き乱れ、それが堆積して泥炭(ピート)になります。麦芽を乾燥させる際に、このピートを焚きます。スコットランドでは昔、野山に無尽蔵にあるこのピートが唯一の燃料でした。そして、ピートの香りが、スコッチの最大の特徴なのです。
スコッチのグラスを手にとるとき、私はスコットランドの大麦畑とその上に広がる空を思い浮かべます。スコッチを飲むということは、この液体が過ごしてきた時間との出会いのような気がします。一面の大麦畑で風にそよいでいた時間、樽の中でオークの香り、さらには、幽かに香る樽の外の海の香りを嗅ぎながらゆるゆると眠っていた時間、眠りから覚めて、ボトリングされ、きれいなラベルを貼られて出会いを待つ時間。思いきり擬人法になってしまいます。こんなふうにしか書けませんのです!愛おしくて


先日はこのブログ内「バーテンダースクール」のページで、最高の出会いについて紹介させていただきました。(3/17)
「ストラスアイラ」私の生まれた年のビンテージものです。時には、たった一口の酒が身体の中から、自分自身の過ごしてきた長い時間を語りかけてくれているような感動を覚えることがあります。ま~それほどの酒に出会えるのは、一生に1度か、多くても数回でしょうけど。
しかし、それを言うなら、ワインも、ブランデーも、日本酒も、さらにはすべての料理も「出会い」でしょう。TVなどで、有名なお店のシェフが「料理は出会いです」などと言っているのを耳にしませんか? 素材同士の出会い、素材と料理人の出会い、料理と人との出会い…
素晴らしい出会いはいつも自分から探し求めて見つけるものだと思います。
写真はハイランドの大麦畑
新潮社「スコッチ・モルトウィスキー」より
