WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

「怒り爆発」その後

2006-09-30 | 教育ママ日記
今日は、時間をかけて、Takの部屋を片付けようと、決めてました。
高松に引っ越して以来、土曜日は二人であまり外にも出かけず、まったりの日。
いつのまにかそんなふうになりました。
私は、1週間溜まった家事、掃除や洗濯、アイロンかけなどなど、、のんびりとしている横で、Takは、ひとりで、ブロックや工作、DVDをエンエンと観ることも。そして、時折一緒に遊んでとせがまれて、「おうちごっこ」をしたり、絵本を読んだり。
Takも私も、ゆったりした気分で、自然体でいられて、いいカンジの週末なのです。
ちなみに「おうちごっこ」っていうのは、「おままごと」と同義語のようで、ブロックで小さな部屋をつくって、そこで男の子(Tak)と女の子(母)の人形が寝たり起きたり、ゴハンを食べたり、飛行機や車にのって、キャンベルロッジにいったり、ゆみゆみと一緒にジャンゴさんのハンバーグやさんにいったり、富士山に登ったりするのです。
(これは本日のストーリー)

でも、今日はちょっといつもと違うぞ。
昨日から、「明日はTakの部屋を大掃除して、不要なオモチャを一掃する」と宣言してありました。彼も覚悟はきめてました。
何を捨てられても仕方がない、自分が物を大切にしなくて失くしたってことは、そういうことなんだと、自分でも納得していたようでした。
先日の記事のコメントレスにも書いたように、

「自分のものは全部、何から何まで、置き場所を自分で決めて、すべてのものがどこにあるのか、自分で把握して、管理する」

片付けやすい環境づくりからやり直しってワケです。
でも、悲壮感?てのはなくて、午前中、「おうちごっこ」をやったり、ブロックで一緒に迷路をつくって遊んだりしたので、和気藹々モード。

ひとつひとつの引き出しなどの中身を全部だして、
「これは要る? 要らない?」と、いちいちやりました。
あきれたことに、Takは、ほとんどのオモチャに執着がなく、「要らない」「捨てる」などといって、惜しげもなく捨てていくのです。
「捨てないで」と自己主張したのは、いつも話し相手にしているぬいぐるみたちと、私の友人たちからプレゼントされた電車や、虫の模型など。保育園時代の自分の作品集(そんなの、捨ててといわれても捨てないけどね)。
要するに、「心」なのです。

心が通い合ってると思っている?人形たち。男の子でも、6歳児ってまだこんなもんなんでしょうか。
Takは新しく何か作るたびに、人形たちに見せて対面式をやるのです。。
「おかあさん、じんべー(鮫)喋らせて」「くまちゃん、喋らせて」…といって、私にぬいぐるみ役をせがんで、新しい仲間を紹介する。
この儀式に、Takのぬいぐるみ達はなくてはならない存在のようです。
そして、それ以外のオモチャも、大好きな人から貰ったものは、ずいぶん前の電車や虫の模型でも、どれが誰に貰ったのか、ちゃんと覚えています。まあ、当たり前か。

結局、引越で半分以上捨ててきたのに、それからさらに半分以下に減って、Takの収納は気持ちいいほどすっきりしました。
引っ越してから手付かずだったダンボール2箱も開けて、保育園時代の思い出の物も整理しました。

…しかし、肝心の「腕時計」はついに出てきませんでした。
Takは覚悟をきめて、大好きな「すずくん」にTEL。
こわいよ~~~~…と緊張しまくりながら、失くしてごめんなさいと伝えると、あっさりといいよという答えが返ってきたらしく、ホッとしまくったらしく、ハイテンションになって、「これってホメことば~♪」とか歌って聞かせたりしてたし(-_-;)
風邪気味で寝ていた「すずくん」をドッと疲れさせてしまったようでした。ごめんなさい。

ほんとにTakは、「性根に入って」いるのだろうか?(讃岐弁)
これだけやっても一度で性根を入れ替えるのは無理だと思います。
伝え続けなくては。
それも、ぎゃん氏のいうように、叱りとばすだけではダメなのだ。
こちら側にも熱意と根性が必要だ。



…とりとめなくてすみませーん。

連日なんだかバタバタと過ぎてゆき、この日のことも、もっとすっきり端的にまとめたかったのだけれど、も~体力ありません(T_T)
そうこうしてるうちに、どんどん時は流れ去るので、とりあえずアップしときました。
Comments (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

よしなしごと

2006-09-30 | よしなしごと
「あなた」    谷川 俊太郎

あなたは だれ?
わたしではない あなた  あのひとでもない あなた
もうひとりのひと
わたしとおなじような みみをもち
わたしとはちがうおとを きくひと
わたしとそっくりの じゅっぽんのゆびをもち
わたしにはつかめないものを つかもうとするひと あなた

あなたは たっている
まなつのひをあびて うみにむかって
わたしに せをむけて
あなたはみつめる とおい すいへいせんを
あなたの こころには わたしのみたことのないまちの
わたしのあるいたことのない こみちがつうじている
そのこみちに いま しずかにゆきがふりつもり
わたしのあったことのないひとが こっちへはしってくる
そのひとが あなたにむかって なんとさけんだのか
わたしはけっして けっしてしることはない

そのばん あなたのめにうつったもの
だいどころの かたすみの あるみにうむの なべの ひかり
こたつのうえに ひらかれている うみのむこうからとどいた
いっつうの てがみ
あなたがあいし あなたをあいする ひとのほおに つたう なみだ
それをわたしは みなかった  だからわたしは あなたではない
たとえいつか あなたが わたしの いちばんのともだちに なるとしても
たとえいつか あなたがわたしに おもいでのすべてを かたるとしても


あなたはだれ?  もうひとりのひと
わたしとおなじ くろいかみをして
わたしとおなじ ふたつのひとみで
わたしにみえぬものを みるひと

あなたは わらっている しろいはをきらめかせて
わたしが くちをつぐむとき
わたしのてから だいすきなぬいぐるみを ひったくり
あなたのいきに どろっぷのにおいがする
こんなにちかくにいるのに かぎりなく あなたは とおざかり
うちゅうじんのようなかおで あなたは わらっている
どうして そんなにも ちがうのか
あなたのはなは わたしのはなではない
あなたのくちは わたしのくちではない
あなたのこころは わたしのこころではない
あなたをぶったとき いたかったのは わたしではない
あなたのはいているくつは いつどこでかったのか
ゆうべあなたのみたゆめは どんなゆめだったのか
あなたは だれ?

あなたのふむすなは わたしのふむすなと つながっている
あなたのうえにも わたしのうえにも おなじいろのくもがうかんでいる
あなたのみるうみも わたしのみるうみも はいいろにくれてゆく
それなのに いま
このしゅんかんにも あなたと わたしは べつべつのことをおもう
わたしは あなたになれない そのことの かなしみのあまり
わたしがあなたを だきしめるとしても
わたしとあなたが いつか おなじひとつのりゆうでなみだをながすとしても
あなたのゆびのしもんと わたしのゆびのしもんが ちがうように
あなたは わたしとはちがう もうひとりのひと
あなたは だれ?

あなたのいってしまったあと あなたのすてていった ぬいぐるみが
すなのうえに ころがっている
そして わたしはきづく
わたしがもう そのぬいぐるみを すきでなくなっていることに

あなたはだれ?
わたしに うそをつくひと
わたしを あざわらうひと
わたしを くるしめるひと
わたしもきっとあなたに うそをつき
わたしもきっとあなたを あざわらい くるしめている
わたしはだれ? あなたにとって
おなじあかいちのながれているひと おなじことばをはなすひと
はるかなむかし おなじうみのそこから ゆっくりとうまれてきたひと
それなのに わたしではないひと あなた

けれどもし あなたとであわなかったら わたしはいない
あなたと いいあいをしなかったら
わたしのことばは むなしくそらにきえる
あなたをぶたなかったら わたしは ひとりぼっち

あなたは だれ?
いってしまったあとも わたしのこころに いるひと
うみにむかって ほっそりとしたすがたで たっているひと
いつまでも たっているひと
わたしとちっともにていない かおをして
わたしとはちがう くつをはいて わたしのみない ゆめをみるひと
わたしではない あなた
たとえはなればなれのみちを あゆむとしても あす

わたしは あなたに あいたい
あなたは どこ?



珍しくmixiを徘徊していて、たまたまこの詩をみつけました。
私と同世代のある女性(いえ、正確には、同世代というにはギリギリっていう感じの歳下の方なんですけども)が、谷川俊太郎作のこの詩をもういちど読みたいといって、20年以上、心の隅にあったけれど、自力で探し出すことができなかったのを、彼女のマイミクさんがいとも簡単に見つけ出してくれて掲載していらしたのです。

私は20年前の彼女と、この詩に再会した彼女の両方の気持ちになんだか自分が重なってしまって、とってもしみじみとしてしまいました。

「あなた」って誰だろう。

恋人、夫、妻、先立とうとしている親、自立しようとしている子供、親友、師匠、弟子…

生きてきた長さのぶんだけ、いろんな「あなた」がいる。
すばらしいことであるし、切ないことでもある…
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする