WIND AND SOUND

日々雑感 季節の風と音… by TAKAMI

かき氷が美味しい

2011-08-09 | 実父


8/4

父に「ピノ」(一口アイスね)を買っていったら、すやすや寝てたので、欲しくもなかったけど仕方なく全部自分で食べた。
30分ほどで目覚めた父に、「ピノ」のケースを見せたら、食べたそうだったので、
「じゃっ、一個だけでも食べてみて。買ってくるから」
…といって、売店に買いにいったものの、1個しか食べられなくて「もういらん」と言ったら、
また残りを全部私が食べるハメになるんだ、そりゃヤだな~と思って、
あずき&ミルクのカキ氷にしてみた。

ホントは、以前から父に、ちゃんとガラスの器に入った、シャリシャリの「宇治ミルク」をどーんとベッドのテーブルに置いて、
食べさせてあげたら喜ぶだろうな~と思っていた。
でも、物理的に難しい、、、シャリシャリの氷は、配達できないもんね。
今日のところはカップのかき氷で妥協、、、

ところが父は、一口食べて「美味しい」といって、ぽりぽり美味しそうな音をたてて氷を噛み砕いて、無言で全部食べてしまった。
お腹こわさないかと、ハラハラする勢いだった。

あーーよかった。でも、もうすぐお昼なのに、これのせいでお昼が食べられなかったらマズイな。
でも、好きなものは、食べたいだけ食べさせてあげたいし…

かき氷のあと30分ほどでお昼ごはんが来た。
ヒロコさんもお昼に間に合った。

父は、お粥しか食べられないので、2,3日前から、お粥を20%ほど増量してもらっていたのだけれど、それも完食できるようになって、魚や卵焼きも、ほんの一切れだけど、食べられるようになってきていた。
点滴のおかげで、体の中も潤って、嚥下がしやすくなったのかな?

今日は、びっくりするほどたくさん食べられた。奇跡だ!
鶏モモ肉のソテーを1/3ほど。
玉葱のお味噌汁も半分。
付け合せのスパゲッティ(ケチャップ和え)
りんご1口

食べてくれたら、すごく嬉しくて、こんなふうに書き留めたくなるってもんだ。
まるで、子供の離乳食の記録みたいだな(*^_^*)

これだけ食べたら、絶対元気がでるよ、お父さん♪

ほんとにほんとに、ヒロコさんも私もびっくりした。
嬉しくて、涙が出そうだった。
泣いてはマズイと思い、TVに集中して平静を装った。
淡々と、黙々と食べる父。
食べるだけでも、本当に体力が要る。味もわからないし、飲み込むのも辛いのは、これまでによくわかっている。
でも、少し味覚が戻ってきて、美味しいと感じられるようになったのかな?

食べるに精一杯なので、一言も口をきかない。
手がトレイの上を泳いで、「次はコレ」っていうのがわかると、ささっ!と介助して、フォークでスパゲッティをくるくると巻いたり、鶏モモをナイフで切って突き刺して持たせてあげたり。
父は何も言わずに、「もう終わり」の様相になったので、ささーーっっ…とヒロコさんが片付けて、食べられたものを書いて病室の外に持っていった。

父は食べ疲れたので、すぐに横になって、うとうとし始めた。

ああ…ほんとによかった。
父は、このところ、少しずつ顔色がよくなり、張りもでて、体の中にエネルギーが湧いてきているように感じる。
主治医の先生も、意外なことと驚いている。

先生は転院した当初、仰ったのだ。
この状態では、もうあと何ヵ月とかそういうスパンではない。
脳も冒されてきているので、会話が通じるのも今のうち。
「だから、できる限り、会いにきてあげて。」
ヒロコさんが泣きながら私にそうTELで伝えてくれた。
私も一緒に泣いた。

私たちは、1ヵ月と覚悟した。

今日でその1ヵ月が経った。


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