4/8 月曜日は久々の完全オフ。
今回の瀬戸芸は「沙弥島」(しゃみじま)
ここは、坂出の瀬戸大橋の袂にあって、埋め立てされて島ではなくなっちゃったので、気軽に行けます。
…とはいっても、私は実は「沙弥島」の存在も知りませんでした。
そんなもんなんだ、、「島」って、普段はそっぽ向かれてる。
そういう四国だって島だし、いや、日本だって島だし、、
実は世界からそっぽ向かれてるかもしれないよ、、、
とってもいいお天気でした。
瀬戸芸では、このような標識を頼りに、それぞれのスポットを巡ります。
さあ、いよいよ、徒歩で島に入ります。
車での乗り入れは禁止。
ターニャ・プレミンガー 「階層・地層・層」
もちろん登れます。まだ芝生は造成中…って感じでしたが、この小さな丘のてっぺんから、瀬戸大橋を見ると、とても美しい。
…てか、沙弥島から観る瀬戸大橋は、ほんとうに美しいです。
沙弥島港を通過して、沙弥島海水浴場
…なんて、存在も全然知らなかったよ。
ここの浜辺に建てられた「海の家」で、地元で獲れた食材を使っての、お弁当やスープが供されます。
「千年スープ」
これは、1000年前からこの島にあるある食材だけを使って作られたもの。
平安時代の言葉で食材が書かれています。読めるかな?
醤油や味噌はまだなく、味付けは塩と、「亀の手」という貝の出汁。
大きなどんぶりで供されます。
これが「亀の手」
とっても美味しかったです。
具沢山で、単純に「素材を味わう」って感じ。
でも「美味しさ」よりもっといろんなことが押し寄せてきました。
1000年前にも、この島は、こんなにたくさんの食物に恵まれていたのだなあ…
瀬戸内地方って、本当に、美しい海、穏やかな気候、海の幸、山の幸に恵まれて、本当にいいところだったんだなあ、、、
瀬戸大橋ができて、初めて橋を電車で渡ったとき、この視点から見る瀬戸内海は当然初めてなんだけど、
讃岐平野って、なんて恵まれた土地なんだろう…と、感動して涙ぐんでしまったことを思い出します。
大学で東京に行ったとき…東京の友達と、初めて千葉の外房の海に行ったとき、
「コレがホントの海だよ」
波打ち際が湖のようにちゃっぷん…ってなってる海なんて、ショボすぎるよ。今まで海だと思っていたアレはなんだったんだ。
井の中の蛙だったんだ私は…と、なんだか、そんな思いで、瀬戸内海を侮蔑しました。
小学校~高校まで、瀬戸内海の水質汚染や、赤潮の被害などについて学び、瀬戸内海は景色は美しくても実は汚い海だと教わってきました。
しかし、平安時代よりも、もっと太古の昔から、瀬戸内海沿岸の人びとは、どれだけこの海の恩恵を受けてきたことか。
瀬戸内海はどれほど豊かで穏やかな海か…
瀬戸内海を見渡しつつ「千年スープ」を味わいながら、そんなことを考えました。
隣の人が食べているお弁当もすごく美味しそうでした。
こちらは、地タコを初め、天ぷら満載、ご飯は押し寿司で、すごいボリューム。
カフェでモーニングを食べて来た私たちは、この時間にこのボリュームは無理で、諦めました(T_T)
瀬戸芸は、食もアートなのです。
どの島のどのメニューも、都会ではあり得ない、この島の空気と一緒にいただくことで、いろんな思いが揺さぶられるのだなあ…と、私は感じます。
五十嵐靖晃 「そらあみ」
網の向こうに見える、海、空、雲…
この作品は、斜めから「網」を鑑賞するのでなく、網を通して瀬戸内海の景色を観る…というコンセプトのようです。
まだ、ここは入り口なんですが、、、
今回はもう、これだけでじゅうぶんいろいろインスパイアされまくったので、
続きはまたこんど。
沙弥島…さらっ、、といくつもりだったけど、
いきなり柿本人麻呂さんが現れたり、ものすごく濃いツアーとなってしまったのであります。
平山郁夫美術館を訪ねたときの記録です
どうぞ、ぜひこちらもあわせてご覧ください。私の「瀬戸内海」への深い深い思い入れです、、、