いつもの蕎麦屋さんに行くと、主人が見覚えのあるカ
レーの箱を差し出す。
どうしたのかと聞くと、取り寄せたということだった。
すっかり気に入ったようだ、主人も。
もうインド料理屋もいらないね、などと言い出す始末
だ。
香辛料のみのカレーは(日本のルーではなく、数種類
の香辛料の粉末が入っているもの)、本来のカレーの
姿を教えてくれる。
しかもこれはネパールで作った「Fair Trade」ものだ
し(一応信用するとして)、少しは現地の人間の手助
けになると思えば、安いものである。
実際、高くも無いのだが。
そして主人は、本業である蕎麦屋の利点を最大限に生
かし、蕎麦粉でナン代わりのものを作ったらしい。
それはガレットではなく、パンケーキに近いもののよ
うだ。
主人は、甚くそれが気に入って、もうナンもいらない
ねなどと言い出す始末だ。
作り方としては、蕎麦粉をこねた物を厚めにのし、そ
れをフライパンで焼くということらしいが、正に蕎麦
粉のパンケーキといった感じだ。
水気が圧倒的に少ないという違いはあるが、果たして
どんなものなのか、こちらとしてはただただ想像する
しかないところが、残念。
しかし考えてみると、これはフランス料理の「ブリニ」
に相当するのではないかと、あとから思い至った。
キャビアなんかに付けられるあれだ、と言っても店で
キャビアを食べたことは無いので、知識でちょっと知っ
たかぶりをしているに過ぎないのだが。
キャビアそのものは、一度カスピ海ものの缶を買った
ことがあり、確か最上級のベルーガだったが、はっき
り言って大して美味しいものでもないという印象を持
ち、その後食べたいと思ったことはない。
つまり、個人的には全然魅力的な食べ物ではないのだ。
そのキャビアには「ブリニ」がつきもので、小さく焼
いたそれにキャビアを乗せて食べたりする(確か)。
それを大きくしたのが、今回主人が食べたものだろう
と勝手に想像したわけだ。
そこで、いっそうの事、蕎麦粉でパンケーキを作って
みたらどうかと考えた。
小麦粉の代わりに蕎麦粉を使い、ベーキングパウダー
もいれ焼くと。
薄く延ばせはそれこそガレットだが、結構いけるので
はないかと思う。
これは是非ともチャレンジしたい。
しかし、普通のパンケーキより蕎麦粉のパンケーキの
方がカレーに合うのか、という根本的な疑問は残る。
まあ、やらなきゃ分からないということだわな。